千葉県の県立高校に「原石」がいる。投手にコンバートされ、1年余りで150キロを計測。潜在能力の高さに、NPBの各球団も夏へ向けて目を光らせている。 取材・文=高木遊 昨年5月、捕手から投手転向。素質を開花させ、1年後には150キロの大台を突破した[写真=高木遊]
自他ともに驚く急成長を続けている。左足を勢いよく振り上げ、その反動を生かしてホームベース方向へ勢いよく踏み出すと、鋭い腕の振りが生まれ、そこから放たれたストレートは唸りを上げて捕手のミットに吸い込まれる。今春の千葉県大会では最速148キロを計測すると、5月13日の練習試合ではついに150キロの大台に到達した。
これを投手転向1年足らずの「元捕手」がやってのけるのだから、周囲と
早坂響自身が驚くのも無理はない。
松戸五中時代は捕手だった早坂。松戸市選抜にこそ選ばれていたものの、強豪校からの誘いはなく「学力と野球のバランスを考えて」と県立の幕張総合高に進学した。同校は1996年に3校の統合により設立され、同時に硬式野球部も創部。甲子園出場はないが、2021年には
ロッテの育成ドラフト4位で捕手の
村山亮介が指名され、初のNPB選手誕生となった。
高校3年間の育成力に大きく影響したのが、同校OBでもある柳田大輔監督の幅広い人脈だ。2年時に185cm107kgという体格を生かしきれていなかった村山を、打撃指導に定評のある明秀日立高・金沢成奉監督の下に出稽古に向かわせ・・・
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