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ドラゴンズが劇的に生まれ変わろうとしている。かつて指揮を執り、チームを常勝軍団に仕立て上げた落合博満がGMとして復帰し、谷繁元信が選手兼任で監督に就任した。そしてチームをまとめるのがこの新選手会長、大島洋平である。10月に左ヒジ遊離軟骨除去手術を受け、その不安を拭い去った。チーム同様、あとは上昇するのみ

取材・文=富田庸 写真==前島進、BBM

限界だった左ヒジ

 クライマックスシリーズのない10月は、プロ4年間で初めての経験だった。いつもならレギュラーシーズンが終わり、日本一へ向けた大事な戦いが始まる時期。その真剣勝負の場に、2013年のドラゴンズは進むことができなかった。

「早くシーズンが終わって、初めてクライマックス・シリーズ(CS)を外から見ました。自分もこういう場にいたんだなと思うと、悔しさ、寂しさを感じたのは確かです」

 その一方で、前向きな感情がわき出てきたことも事実だった。「やっと手術ができると。新シーズンを戦うためには、早ければ早いほどいい。このタイミングで良かったなと。これが、CSに出られなかったことの唯一の利点でしょうか」

 自らの体にメスを入れたのは10月12日。偶然にも、セ・リーグ2位の阪神と3位の広島が激突したCSファーストステージ開幕日だった。

 その内容とは、左ヒジの遊離軟骨除去と関節内のクリーニング手術。2年前に症状が出て以来、たびたびその“違和感”に悩まされてきた。

 次第にその頻度が増し、ごまかし切れないものに。13年シーズン開幕前にはWBC日本代表候補にも選ばれており、急ピッチで調整せざるを得なかった。そうなるとヒジが悲鳴を上げてしまう。その時点で、オフに手術することを決めていたという。

「何とか最後まで持ってくれ……」。そんな思いで過ごしたシーズンだった。

 144試合すべてにスタメン出場したのが12年だった。打率.310、171安打はいずれもリーグ3位。そして32盗塁で盗塁王にも輝いた。その年のオフの本誌インタビューでは「3割30盗塁を何年も続けていきたい。調子の良さを序盤から持続できれば200安打も見えてくると思う」と語っていた。プロ3年目にして華麗なるブレークを遂げ、そのまま一気に突っ走っていくつもりだったが……。

▲左ヒジの状態も良好。バッティングの調子さえ戻れば、持ち味のスピードも生かせるはずだ(写真=内田孝治)



「ケガを言い訳にするつもりはないですが、そう考えてしまう自分もいました。知らず知らずのうちにブレーキを掛け、目いっぱい練習ができなかったんです」

 練習の不足が仇となり、深刻な打撃不振に陥った。7月25日のDeNA戦(ナゴヤドーム)では�睫攫蘰惨篤帖陛�時)が大島を故障以外で初めてスタメンから外した。

「右方向への引っ張ったゴロが多くて、反対方向へ転がす内野安打が少なかった。これが響きましたね。僕にはセンターよりも逆方向という意識が必要なんです」

 この試合では延長11回一死満塁のチャンスに代打で登場。言葉どおりの逆方向、三塁強襲安打でサヨナラ勝ちを演出してみせた。

 が、“代役”など本来の役回りにあらず。結局、その調子は最後まで上昇することなく、打率.241、124安打と大きく数字を落としてしまった。

 契約更改では「覚悟をしていた」結果が待っていた。交渉の席に着くと、落合GMから「(予想金額は)どう思う?」と唐突に尋ねられた。「25%(のダウン)ですか?」と大島が応じると、すぐさま「お前、賢いな」との言葉が返ってきた。ほかの選手たちと同様、野球協約の減額いっぱいのダウン提示を飲んだ。



もう一度、タイトルを

 ただ、負の連鎖を断ち切るきっかけは与えてもらったと感じている。吉見一起から選手会長という大役を受け継ぐことになったのだ。

「一昨年は成績が良かったけど、昨年は結果を出せなかった。今年は勝負の年になるし、何かを変えなくてはいけない。そういうタイミングで(前会長の)吉見さんに声を掛けていただき、やはりやりがいを感じますね。自分ではまだ若いつもりですが、さらに若い選手が出てこないとドラゴンズがダメになってしまう。自分が先頭に立って、若手の力を何とか引き上げたいですね

▲エース吉見からバトンを受け、選手会長に就任。名実ともにチームの顔になる(写真=井田新輔)



 その決意はすぐに行動で示した。年明けには荒木雅博の故郷・熊本を訪れ、同僚の中田亮二、平田良介、溝脇隼人と合同自主トレを行った・・・

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