元選手たちが野球人生の中で思い出に残るゲームを振り返る新連載。第1回は、巨人、西武でリリーフとして活躍した鹿取義隆氏が登場。「1つには絞れないな。2つでいい?よかったゲームと悔しかったゲーム」とのリクエストもあって2つの試合を紹介する。 GAME1 1992年10月17日(土) 日本シリーズ第1戦 ヤクルト-西武戦(神宮)『最後の1球でまさかの満塁弾!』
一番覚えているのは、打たれた嫌な思い出のほうですが、神宮の92年の日本シリーズ第1戦ですね。杉浦(享)さんの代打満塁サヨナラ本塁打!だって日本シリーズの振り返り番組があると、必ずと言っていいほど映像が出てくる。もう忘れたいのにね(笑)。ただ、試合は負けましたが、結果的には日本一にもなったし、いま思えば、いい経験でした。
ヤクルトは広沢(克己)や池山(隆寛)がいて勢いに乗っていた。第1戦は絶対にモノにしたいゲームでしたね。僕は3対3で延長に入った10回から登板して10、11回とゼロ。調子は悪くなかったし、気合も十分、でしたよ。ただ、12回は秦(真司)にツーベースを打たれ、その後、敬遠で一塁を埋め、飯田(哲也)が内野安打で満塁になったんですよ。
そこで代打で登場したのが左の杉浦さん。このシーズンは調子が悪くて試合もあまり出ていなかったはずですが、僕は巨人時代、相性がよくなかったんで、決して油断していたわけではありません。まずストレート2球で2ナッシングと追い込み、3球目はインハイに外そうと思ったんですが、コースが甘くなって真ん中に。それを杉浦さんが上からパチンとスイングし、ホームランです。
それまで何度も味わったはずの“1球の怖さ”を改めて感じました・・・
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