いまやレギュラー捕手が数少なくなった。今年の打撃30傑の顔ぶれを見ても、捕手で登場しているのはヤクルトの中村悠平とロッテの田村龍弘の2人だけである。かつては首位打者になる捕手、本塁打王になる捕手もいたが、いまでは打撃のタイトルをつかむ捕手はいなくなった。投手は完全に分業制になっているが、捕手も分業制になってしまうのか。最近の捕手事情を探ってみる。 
着実に成長を続けている巨人の小林誠司。このまま正捕手としてその地位を確固たるものにできるか
規定打席に達している捕手は2人だけ
今年のオールスターに出場した捕手はセ・リーグがファン投票と選手間投票でヤクルトの中村悠平、あとは
阪神の
原口文仁、
DeNAの
戸柱恭孝。パ・リーグがファン投票と選手間投票で炭谷銀仁朗、ロッテの田村龍弘の5人。中村、炭谷は3度目だが、あとの3人は初出場の若手主体の選出であった。
それでも結果は14打数4安打で打率.286であり、4打点。戸柱が第1戦に代打で2点タイムリーを放てば、田村もタイムリー。第2戦では原口が代打でタイムリー二塁打をマークしていた。ただし、捕手が打った本塁打は1本もなかった。
昨年は第1戦で捕手で選出された巨人の
阿部慎之助がDHで本塁打を放ち、第2戦で
広島の
會澤翼が先制ソロを打っていた。かつては捕手でありながらオールスター史に名を残す選手も多くいた。最多安打は
野村克也の48本であり、通算最多二塁打も野村の15である。
古田敦也は1992年の第2戦で史上唯一のサイクル安打も記録しているが、そうした記録に残る捕手は近年はめっきり少なくなった。
今年のプロ野球で規定打席に達している捕手はヤクルトの中村とロッテの田村だけだが、その中村の打率も2割に届かない現状だ。
オリックスの捕手陣は開幕以来いまだに本塁打を打っていない。
西武の
森友哉が5本打っているが、いずれも打力を買われて外野、あるいはDHで出場しているときに打ったものでマスクをかぶっているときの本塁打はゼロ。
楽天も捕手の本塁打は2本、ロッテも田村の1本、巨人も小林誠司が2本と
實松一成が1本、DeNAも戸柱恭孝の1本だ。いまや捕手にバッティングを望む時代ではなくなりつつあり、投手との相性を重視する時代である・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン