
佐々木朗の覚醒が期待されるロッテや、巻き返しを図るソフトバンクもいいが、オレは戦力的にも充実期に入ってきたオリックスが2連覇をしそうだと思うよ[写真=BBM]
ロッテでうまく育った佐々木朗に最大注目よ
いよいよ3月、暖かい日が増えてきた。近づく春って感じで、ファンの皆さんのワクワク感が伝わってきます。今シーズンの開幕は3.25。そこに向けて、それぞれが最後の調整に入ります。世界ではロシアのウクライナ侵攻という問題が起こっているが、やはりスポーツの世界は平和に、そして手に汗握る戦いを期待したい。もうすぐ開幕へのカウントダウンに入る。さあ2022年シーズンはどうなるのか。
「そこで今週なんですが、ロッテ特集、巻頭カラーでロッテを大きく取り上げることになりました。だから、そらそうよ……はパ・リーグについて語ってもらいます」。これが今週の指令。担当のS君から連絡をもらったのですが、ロッテといえば、今シーズン、躍進への切り札はなんといっても佐々木(
佐々木朗希)の存在やろね。
彼がドラフトで指名される際、オレはこのコラムでこう書いた。「すぐに一軍で通用するのは奥川(
奥川恭伸)、でも数年先、とんでもない投手として成長しているのは佐々木」と評した。その年の高校生のドラフト候補の目玉は奥川と佐々木やった。その2人は予想どおりの成長曲線を描いていた。
昨年、
ヤクルトを日本一に導いた奥川はエースへの階段を上っている。一方の佐々木はじっくりと力を蓄え、そして、いよいよ爆発のシーズンを迎えようとしている。このキャンプでの実戦で、投球のほとんどが160キロ台のストレートよ。こんな投手は見たことない。「怪物」と評された高校時代から、さらに進化した姿を示している。
焦らず、急がず。ロッテというチームで、ホンマ、うまく育ってきたな、という印象が強い。今季、間違いなく先発ローテーションに入るだろうし、2ケタ勝利は十分に可能。オレはやはり、故障しなければいいが、と気にしてしまう。1年間、コンスタントに投げたことがないわけで、ここに十分気をつけてもらいたい。球団も分かっているだろうし、うまくケアして、乗り切れば、本物の怪物誕生! となるに違いない。
強いチームの試合運びができるオリックス
そのロッテ、そして佐々木を迎え撃つのがオリックスである。ここはリーグ連覇がかかる。これが難しいことなのだ。続けて勝ち抜く厳しさ。どこのチームも味わってきたことである。例えば
阪神でいうと1962年、64年、85年、2003年、05年とリーグ優勝しているが、ご覧のとおり、1度も連覇がない。オレが監督になった2004年。星野(
星野仙一)さんのあとを受け、優勝チームを率いることになったが、やはり前年に優勝となれば、チームを大きく変えたり、動かしたりするのは難しいわけ。優勝しているのだから……と、これが常に付きまとう。
だからオレは04年を、05年への変革時間と考えた。チームを徐々に変える。例えば投手陣。ベテランから中堅、若手へ移行するため、伊良部(
伊良部秀輝)や藪(
藪恵壹)に代わる人材を探した。こういうことが実って05年に優勝できたけど、それでも連覇はできなかった。なぜ? そら理由はあるわ。優勝を逃したチームは躍起になって戦力を強化するわけよ。それに比べ、優勝すると動きにくくなり、戦力格差は当然、グッと縮まる。これで優勝争いは混とんとなる。こういう仕組みがずっと繰り返し続いているわけよね。
そこでオリックスだが、オレは連覇の可能性は極めて高いと踏んでいる。連覇が厳しい説も、いまのオリックスには当てはまらない。とにかく優勝した昨年がピークでない点が大きい。チームとして成長過程にあり、どの部門もさらなる伸びしろを感じることができる。
オレは優勝するチームの前提条件として、守りが強いことを挙げるのだが、オリックスは投手力を含め、守りがいい。山本(
山本由伸)という絶対的エースがいて、そこに宮城(
宮城大弥)、田嶋(
田嶋大樹)と続く。セットアッパーも含め、とにかく構成が若い。これは前進があっても後退はない、と思えるし、とにかく計算できるチーム作りに成功したんじゃないかな。
打線、打力を前面に押し出すチームなら、シーズンで何度も大きな波に見舞われるけど、オリックスはそうではない。吉田(
吉田正尚)、杉本(
杉本裕太郎)がいるが、打撃のチームではない。だから〇点取れば、〇点までに抑える、という強いチームの試合運びができる。そういうチームになりつつある、とオレは見ている。
かつてセ・リーグで
広島が3連覇を果たした。それまで低迷しながら、Aクラス入りに持ち込み、チーム全体で自信を得た。これが大きくて、そこからの3連覇。このカープストーリーと同様のラインを描くのがオリックスということ。若くて勢いのあるチームに、優勝によって得た自信が調合された。自信は過信にはならず、さらなる強さとなって返ってくるに違いない。
昨季2位のロッテをはじめ、ソフトバンク、
楽天の逆襲も予想されるし、BIGBOSSの
日本ハムも興味深い。でも冷静に評価し分析したら、かなりの確率でオリックス連覇、と“そらそうよコンピューター”ははじき出した。ここから黄金期に入るかもしれない。充実期に突入のオリックスである。(デイリースポーツ評論家)
PROFILE 岡田彰布/おかだ・あきのぶ●1957年11月25日生まれ。大阪府出身。北陽高では1年夏の甲子園に出場し、早大では東京六大学リーグ歴代1位の打率(.379)と打点(81)をマーク。80年ドラフト1位で阪神に入団。1年目からレギュラーとして新人王を獲得。21年ぶりのリーグ優勝、日本一を達成した85年は五番打者としてベストナイン、ゴールデングラブ賞。94年にオリックスへ移籍し、95年限りで現役引退。通算1639試合、打率.277、247本塁打、836打点。オリックスで2年間指導の後、98年に阪神復帰。二軍監督などを経て、04年から08年まで監督を務め、05年はリーグ優勝に導いた。09年から12年はオリックスの監督として指揮を執り、13年からは野球解説者として精力的に活動している。