高校野球経験ゼロという異色の経歴、豪快なフルスイングと俊足。まだまだ体の線が細い原石だが、ロッテ打線を背負う未来の長距離砲、そしてオールラウンダーとして和田康士朗に懸かる期待は大きい。 
外野手/育成1年目/19歳
けれん味のないフルスイングと異色の経歴で、すぐにファンの間で話題になった。BCリーグの富山サンダーバーズから育成ドラフト1位でロッテに入った和田康士朗。
ソフトバンクの
柳田悠岐を彷彿とさせるねじ切れんばかりのスイングは、ロマンにあふれる。「柳田さんの動画を見て参考にしていたから、似ていると言われるのはうれしい」と初々しい笑顔で語る。
経歴もユニークで高校野球の経験がない。中学時代までは野球をやっていたが、進学した埼玉・小川高が「そこまで強くはなかったし、自分自身のケガもあったので」と陸上部に入った。1年秋の県大会では走り幅跳びで6メートル45センチをマークして15位。しかし、もうそのころには野球への思いを再び募らせていた。
「夏の県大会で友達が1年生でベンチ入りしていて、またやりたいと思った」。それでも転部ではなくレベルの高いところでやりたいと親に相談し、父親の知人をたどりクラブチームの都幾川倶楽部に入団。同クラブの先輩がトライアウトでBCリーグ入りしたこともあり、卒業後すぐに富山サンダーバーズに飛び込んだ。
陸上部で培った瞬発力は野球でも生きている。体に負担がかかるフルスイングができるのも、そのおかげ。3月24日の
ヤクルトとの二軍戦(ロッテ浦和)、同点の9回に右翼ポール際に豪快な決勝本塁打を放った。インハイをフルスイングでかち上げた一発。「練習であのコースはまったくダメだけど、なぜか試合で打てた」と本番での強さを発揮した。
ロッテには少ない長距離砲候補は、首脳陣の期待も高い。まだまだ線は細く「焦らず体を大きくして、まずは支配下入り」と足元を見つめる19歳。変化球への対応はまだまだで、すべてが荒削り。それでもすでにスターの匂いを漂わせている。
僕のセールスポイント フルスイングが身上
僕の売りは足の速さとフルスイングです。小中高と運動会ではいつもリレーの選抜に選ばれていましたし、短距離走で負けた記憶はほぼないです。それから育成で指名されたとき、「バットをしっかり振れる選手が欲しかった」と言われました。自分でもフルスイングをなくしたら魅力がなくなると思うので、今後もそれは貫いていくつもりです。
PROFILE わだ・こうしろう●1999年1月14日生まれ。埼玉県出身。左投左打。185cm72kg。小川高からBCL/富山を経て2018年育成ドラフト1位でロッテに入団。高校時代は陸上部だったという50メートル5秒8の俊足に加え、バットを振る力は天性のもの。フィジカル強化は必須だが、将来はトリプルスリーを狙える素材として首脳陣の評価は高い。今季二軍での成績は20試合、打率.214、1本塁打、1打点、0盗塁(4月14日現在)。