一軍を目指してファームで輝きを見せる若手選手を紹介する好評企画。今年は不定期で気になる“原石”のインタビューもお届けする。第1回は昨季、高卒ルーキーながら一軍デビューを果たしたソフトバンクの伸び盛りだ。
取材・構成=菅原梨恵、写真=湯浅芳昭


　高卒入団選手においては特に育成を重視するソフトバンクにあって、1年目での一軍デビューは異例のこと。しかも、プロ初出場の初打席で初安打を放つのだから「勝負強さ」を武器と断言するのもうなずける。さらなる飛躍を誓う野村大樹は、再びの一軍を見据え、攻守走を磨いている。

──プロ1年目を振り返って。

野村　昨季は三軍が3分の2くらいで、残りが二軍、最後の2試合には一軍にも上げていただきました。それぞれのステージでレベルの差を感じましたね。僕の場合はバッターなのでピッチャーの話になりますが、球の質だったりが全然違う。いいピッチャーの方ともたくさん対戦できて、すごく濃いシーズンになりました。

── 一軍ではどんなことを学びましたか。

野村　一軍は今まで自分がテレビで見てきた中の世界。やはり三軍、二軍とは雰囲気が違いました。グラウンドで三塁守備に就いたときに一塁からの声もはっきり聞こえたりして。一つひとつのプレーがこうやって行われているんだと、あらためて感じましたね。また、ベンチでは工藤(工藤公康)監督と内川(内川聖一)さんの間、後ろが慶三(川島慶三)さんという位置に座らせてもらって・・・