一軍では林晃汰や小園海斗など、高卒の若手内野手の活躍が目立っているが、それに続こうとする選手はまだいる。ドラフト4位で入団して2年目の韮澤雄也だ。打力に磨きをかけ、長打力をアップさせて一軍を目指す。 取材・構成=藤本泰祐 写真=前島進、湯浅芳昭 
内野手/2年目/20歳
高校時代は巧打者として名を馳せたが、プロ1年目はファームでも思った結果は残せなかった。打率.229でホームランはゼロ。長打力を身につけるため、フォームや打席へのアプローチの見直しに取り組んだ。その成果もあり、今季はファームでも初本塁打が出るなど、力強さを増してきた。守備でも、昨オフは志願して菊池涼介との自主トレを行うなど、セカンドへの対応を進めており、何とか早く一軍を体験しようと研鑽(けんさん)を積んでいる。 ──今季、ウエスタン・リーグでは、セカンド、ショートで出場して、打率は2割5分前後です。ご自身ではここまではどうですか。
韮澤 去年よりはしっかりできているので、少しは成長できていると思います。特にバッティングですかね。考え方であったり、スイングであったり。去年はまだ、とにかくヒットが欲しくて。それなのにただ漠然と待って、打ちにいったりしていた。今年は狙いをしっかり持って。そうやっていけばヒットにつながるということもだんだん分かってきたので。
──スイングの変化というのは。
韮澤 去年はほとんど長打がなかったので、キャンプから長打が打てるようにと意識してやってきました。去年からトップを深くするように取り組んできて、映像で確認しても、去年はホントに小さなスイングという感じだったのが、見た目にも振り幅が大きくなってきたように感じるので。実際、とらえた打球は外野の頭を越えるようになっていますし。
──7月2日の
中日戦(由宇)では、ファームでの初ホームランも放ちました。
韮澤 あれは初めての感触でした。打った瞬間に、行ったなと。あのときは、第1打席で追い込まれながらも高めの真っすぐに反応できて、ヒット(中前打)を打てた。その次の打席で、カットボールが多い中で追い込まれたので、引っ張りにいかないように、と思いながら、カットボールを狙っていました(結果は右越えにソロ本塁打)。
──打席へのアプローチという面でも、成功した一打だったのですね。その一発も相手が左腕でしたが、昨季.174だった対左投手の打率が、今季は.267と大幅にアップしています。
韮澤 プロに入ったばかりのときは、球の速さと変化球のすごさに圧倒されて、もう「左ピッチャーだから打てない」という感じで、そこでもう負けていた。でも今年は、狙い球もしっかり持っていますし、去年までの考えはなくなり、しっかりピッチャーと勝負できるようになっているので、そこが違うと思います。
──自分の中でも、バッティングの力が上がってきたという実感はありますか。
韮澤 そうですね。少しあります。長打も出るようになってきたので。
──これは去年からですが、ファーストストライクから積極的に打っています。
韮澤 特にチャンスの場面だと、一番ダメなのは三振だと思うので。早めに仕掛けたい。狙い球が来たらしっかり振っていくことを心掛けています。その球が早めに来ることも多くなっているので。
セカンドも勉強中

守備でも菊池涼介との自主トレでセカンドの奥深さを体感した
── 昨オフは、志願して菊池涼介選手の自主トレに参加しました。
韮澤 もともとは、長打力、打球を飛ばす力が欲しかったので、自分より小さい体であれだけ飛ばせるのはなぜか、というところを教えてもらいたいなと思ってお願いしました。打撃もですが、やっぱり守備もすごかったです。体のバランスの良さ、それから、セカンドはショートと違い、待って捕ることも多くなるので、そういうときの打球に合わせたグラブさばきもホントにうまいなと思いました。
──セカンドとしても得るものが多い。
韮澤 セカンドはショートと感覚が違うので、最初は難しかったですね。打球に合わせての、待つのか、前にいくのかという判断とか、その上での、それぞれの打球に対するグラブのハンドリングとか。菊池さんは、ボールを吸収するというか何というか、言い方が難しいですけど、打球の力によって、捕って投げるパターンを使い分ける感じなので、奥が深いと思います。
──将来的には、どんなタイプの選手が理想でしょうか。打順については。
韮澤 龍馬(
西川龍馬)さんみたいに、ホームランも打てて、三振しなくて率も残せる打者です。打順は、目指すなら三番、五番、六番というタイプだと思います。
──ポジションは。
韮澤 内野なら。いや、与えられたポジションで頑張る、という感じです。外野でも。
──一軍を早く体験してみたい、という気持ちは強いですか。
韮澤 それはもちろん。
──そのためには何が必要でしょうか。
韮澤 やっぱりバッティングじゃないですかね。打率を残さないと使ってもらえない。これからもバッティングを一番に頭に置いて、打率を3割に近づけていけるように頑張りたいと思います。
韮澤雄也 PERSONAL DATA
【PROFILE】 ■韮澤雄也(にらさわ・ゆうや)
■2001年5月20日生まれ
■178cm/81kg
■右投左打
■新潟県出身
■花咲徳栄高-
広島20[4]
プロ2年目。高校時代はU18日本代表に選ばれた好打者も、昨年はプロの壁にぶつかった。ファームで打率.229。ホームランは一本も打つことができなかった。さまざまな改良に取り組み、今季はファームでの初本塁打を記録。守備でもこれまでのショートに加え、セカンドにも取り組み、チャンスを広げている。
【2021年ウエスタン打撃成績】(7月25日現在) 50試合出場、39安打1本塁打8打点1盗塁、打率.242
【一軍に行くためには】 打率を3割に近づけていく
【理想とする選手のタイプ】 本塁打も打てて率も残せる龍馬さん