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ファームで輝く次世代ホープ 羽ばたけ! Prospect Players

西武・秋山俊インタビュー 強打を発揮する新人スラッガー「好きな言葉は『執念』。やっぱり何事も最後は気持ちが大事になります」

 

ドラフト1位・小島大河、同2位・岩城颯空が一軍戦力として勝利に貢献しているが、同3位・秋山俊は二軍でしっかりと爪を研いでいる。中京大から入団した左打者の広角に飛ばす打球は力強い。一軍の外野枠は激戦区となっているが背番号35が主役に躍り出る日も遠くはないだろう。
取材・構成=小林光男 写真=井田新輔

西武・秋山俊[外野手/1年目/23歳]


 春季キャンプからオープン戦途中まで一軍に帯同していたが、開幕一軍スタートは逃した。ただ、二軍開幕から上位打順を任され、鋭いスイングを見せている。4月2日現在(以下同)、12試合に出場して、無安打はわずか2試合。ファームリーグ・中地区でトップに立つ打率.340をマーク、OPSも.805をたたき出す。秋山幸二秋山翔吾(現広島)に続く3代目“獅子の秋山”としても話題を呼んだが、実力でも存在感をアピールしている。

──二軍の開幕から好調な打撃が続いていますね。

秋山 3月頭に比べたら、すごく自分の感覚が良くなっている感じはあります。

──オープン戦では8試合に出場し、13打数2安打、打率.154でした。

秋山 一軍で試合に出場していたころは、大学時代には経験したことがなかった、いい投手ばかりと対戦していたので、何とか対応しようと気負い過ぎてしまいました。「結果を出したい」という気持ちが強過ぎて、自分のスイングができていませんでしたね。

──二軍に合流してまずは自分のスイングを取り戻すことから始めた。

秋山 そうですね。感覚的な話なんですけど、スイングしたときにバットの振り抜きがいいというか、力感なくスパッと振れている感じですね。映像を見たときに、自分の中にある感覚とだいぶ開きがあったので、そこを修正してからはいい感じでバットが振れるようになりました。

──当初は単打ばかりでしたが、徐々に長打も飛び出すようになりました。

秋山 最初は一軍で打席に立っていたときの力みをなくしたいと思っていたので、軽く打つようなイメージでした。それでも打球速度は出ていましたし、強い当たりが野手の正面を突いたりしていたので。最近は打席でも余裕が出てきて、いろいろ考えられているので、長打も打てるようになったと思います。

──ここまで52打席でわずか4三振。三振率は7.7%と素晴らしい数字です。

秋山 大学までは結構、三振が多かったんですけどね。二軍の試合に出始めたころから感覚をつかんだので、三振が少なくなっていきました。それはボールの待ち方です。これまでだったら来たボールに何とか対応するという感じだったんですけど、今だったら真ん中付近を待つようにして、そこからずれたら手を出さない、と。それが何となくできるようになってきてから、ボールの見極めが良くなったと思います。

──2ストライク時も16打数5安打、打率.313と好成績ですが、それもボールの見極めが良くなった結果でしょうか。

秋山 そうですね。大学まではできなかったので多分、それが理由の一つになると思います。あとは打撃コーチからもアドバイスされたのですが、追い込まれたら逆方向をイメージすることもプラスになっています。その分、ボールを長く見ることができますから。それまでは低めの変化球に手を出して、三振してしまうことが多かったですが、見逃せるようになったのが大きいと思います。

──1ストライク時も17打数8安打、打率.471と好成績。0ストライク時の17打数4安打、打率.235が改善されれば、さらに上昇気流を描きそうですね。

秋山 ファーストストライクを無理して打ちにいくことが少し多いので。やっぱり、初球にストライクを取りにくる可能性は高いですし、そこを確実にとらえたい。その気持ちが強過ぎて空振りやファウルでもいいのに無理やり(グラウンドの)中に入れてしまっている。その姿勢が出てしまっている感じです。

自分が情けなかっただけ


──プロでほかの選手の打撃を見て、自分に採り入れてみようとしたことは?

秋山 参考にしようと思ったこともあったんですけれども、それをやってしまうと自分の形がどんどん変わってしまうので。まずは自分のスタイルでやってみて、ダメだったら参考にしようと考えています。今のところはプロの投手と対戦して「どうしようもないな」という感じはないので。いい打者を目にして、「こういう意識なんだ」というのを見て学んで、それを自分なりに解釈を変換しています。

──安達俊也担当スカウトは「状況に応じた打撃ができる点を評価した」と話していました。

秋山 そういったスタイルは武器の一つになると思いますし、それができれば重宝される選手になれる。貫いていきたいところですね。

──一軍での活躍を見据えて、打撃では二軍でどのような成績を残したいですか。

秋山 まずは毎試合、最低1回は出塁することを意識しています。どんなに状態が悪くても、1本ヒットを打つ、もしくは1個四球を取る。打撃の波を少なくすることが課題でもあるので、安定した結果を残していきたいと思います。

──外野守備の自己評価はいかがですか。

秋山 まだまだですね。課題は多くありますが、まずは落下地点まで早く入ることです。それに目を切って背走することが苦手で。克服するためには打球を数多く捕るしかないです。数をこなして感覚を養っていきたい。あとは意識を強く。ダッシュやスピードはそれが重要だと思っているので。

──走塁に関しては?

秋山 走塁はあまり苦手意識がないんですけど、とっさのときの判断がまだできていないと感じています。自分が塁上にいて想定内のことはすんなりできるんですけど、想定外のことが起こったときに……。そこが課題ですね。

今後、外野守備を磨いて攻守走で勝利に貢献できる選手を目指していく[写真=川口洋邦]


──ここまで首脳陣から掛けられた言葉で印象深いものはありましたか。

秋山 キャンプで全体練習後に室内でバッティング練習をしているときに鳥越(鳥越裕介)ヘッドコーチから「打っている選手はしっかり量もこなしている」と言われたことですね。やっぱり、理由なく結果を残しているわけではない。きちんとした裏付けがあるんだということを、あらためて感じました。だから、僕もキャンプでは全体練習後に最後のバスが出発するまでは必ず打っていましたね。

──好きな言葉は『執念』だそうですね。

秋山 やっぱ最後は気持ちが大事かなと思います。気持ちが十分でなければ何事もやれない。例えば打撃練習の量をこなすことでも、気持ちがないと練習をする気も起こらない。気持ちがあって、練習ができて、試合に臨める。それに「これだけ練習を積んできたから大丈夫」というメンタリティも大事だと思っていて。心技体でも心。そこが安定していればプレーも安定してくる。自分はそういうタイプだと思っています。

──メンタルには自信があるんですね。

秋山 メンタル面が上下することはないですね。試合中にミスしてもあまり気にしないというか、変に引きずったりはしません。もちろん、試合が終わったらきちんと振り返って反省しますけど、試合中は目の前のことに集中するだけです。

──ドラフト同期の1位・小島大河捕手、2位・岩城颯空投手が開幕一軍スタートとなりました。悔しさはありますか。

秋山 同じポジションだったら気にするかもしれませんが、ポジションが違うので。ただ、自分もキャンプからオープン戦途中まで一軍に帯同していたので……悔しいというか、自分が情けなかっただけだということです。シンプルに足りないものが多かったから二軍スタートになったわけで、もっと成長して一軍に昇格できるように頑張りたいです。


PERSONAL QUESTION
Q.将来の目標、目指す選手像は?

Q.休日の過ごし方は?
A.オンオフはしっかり分けられていますけど、オフは特に何もしていないですね。暇があったら寝ています(笑)。何もないときは寝て起きて、ご飯を食べて、またベッドに行って。ドラマを見て、眠くなったら寝ているみたいな感じです。

Q.好きなドラマは?
A.ネットフリックスで結構いろいろなドラマを見ますけど、最近で面白かったのは……何だろう? 結構昔のドラマですがキムタク(木村拓哉)さんが主演の『GOOD LUCK!!』が面白かったです。航空業界が舞台のドラマですが、それを見てパイロットになりたい……とは思わなかったです(笑)。

Q.野球以外で得意なスポーツは?
A.バスケットボールは結構好きでしたね。小学生のころから運動神経は良かったと思います。昔から足も速かったです。ただ、短距離走は好きでしたけど、やっぱり長距離走は苦手でしたね(苦笑)。

Q.故郷の北海道登別市はどんなところ?
A.冬はすごく寒いところですけど、僕はもう慣れました。温泉も有名です。北海道を代表する名湯の登別温泉があって、昨年末に訪れました。ただ、実はそんなに行っていたわけではなくて。大阪に住んでいる人があまりUSJに行かないというのと同じように、地元にいたらあまり行かないものですよ。

L担こぼれ話
 インタビュー取材を行ったのは3月27日、そう一軍開幕戦の日だった。カーミニークでの二軍戦を終え、打撃練習を行ったあとの取材。それでも疲れた表情はまったく見せずに一問一問にしっかりと自分の言葉で答えてくれた。取材後にZOZOマリンで行われるロッテとの一軍開幕戦の中継を見るのか聞くと、「もちろん」と即答し、「なんか、こういうときはファン目線で見てしまうんですよね」と笑顔を浮かべていたのは初々しい。野球の面白さは「打者と投手の一対一の対決にある」というルーキー。近いうちに自身がファンに“野球の面白さ”を見せる番だ。

【2026年ファーム中地区打撃成績】(4月2日現在)
12試合、打率.340、17安打、0本塁打、4打点、0盗塁

PROFILE
あきやま・しゅん●2003年4月20日生まれ。北海道出身。[甲]仙台育英高-中京大-西武26[3]。
輝け!未来のスターたち

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1軍での活躍を目標に2軍で力を蓄える若手選手を紹介する連載企画。

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