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デーブ大久保コラム

ベンチの中の鳥谷の表情を見て安心。チームの雰囲気は確実に変わります!

 

 7日の試合(広島戦)で連続フルイニング出場(667試合)を続けてきた鳥谷敬選手がスタメンを外れましたね。個人的には「金本(知憲)監督はよくここまで我慢したな」という感想を持ちました。

 チームが勝つためにはいい意味で選手の「えこひいき」はあって当然。連続試合出場を続けている選手というのは、毎日試合に出てほしいと首脳陣が思っている選手です。鳥谷はそれを何年も続けているからこそ優先的に試合に先発する「えこひいき」が存在しているんです。それは、鳥谷がどれだけチームに貢献してきたかの裏返しでもあるんですよ。だから周りから何と言われようと、金本監督も起用し続けたと思うんです。

鳥谷をスタメンから外すことは苦渋の選択だったでしょう。ただベンチで笑顔を見せていました[右から2人目]。これでチームの雰囲気が変わるかな!?と思わせる鳥谷の表情でした/写真=松村真行


 ちなみに日本のプロ野球の監督は、ほとんどが実績を残してきた元選手ばかり。私ぐらいじゃないですか?まったく実績がないのに監督をしてしまったのは(笑)。その監督さんたちもまた選手時代にえこひいきされた選手たちです。金本監督もFAで阪神に移籍し、大きな重圧の中で実績を残し、チームを優勝させたからこそ、えこひいきが存在し、骨折をしても出場し、さらにはヒットまで打ってみせた。だから最後は自分でスタメンを外れるということが許されたんです。

 でも、今年の鳥谷はその度を越え攻守走に精彩を欠いていました。私が監督なら「家族に何かあったか?」と話しかけてしまいそうなくらい、野球に集中できていない表情が多く見受けられました。金本監督も何度も鳥谷と話し合ったと思うんです。でもチーム内を見て、誰も鳥谷レベルの遊撃手がいない。だから鳥谷の状態が上がるのをじっと待ちながら、ここまで使わざるを得なかったんでしょう。

 連続試合出場の記録を作ってきた金本監督だから、記録を作らせたいと思っていたはずです。記録を残してない私でさえ、連続試合出場の重みを知っているので、金本監督なら、その思いはほかの人以上に強かったと思います。しかも阪神という人気球団です。鳥谷がいろいろと騒がれるのはいたたまれない気持ちだったと思います。

 今回、これでスタメンを外れましたから、金本監督は、鳥谷をどう使うか、どう連続試合出場を続けさせながら起用するかが大きな課題になります。私の監督時代に「カズヤ」(藤田一也)が連続試合出場の記録を続けていました。彼に記録を作らせるために、どの場面でどう使おうか悩みました。そしていつの間にか、それが采配の中心になりそうなときもありました。それじゃあ、ダメ監督です(苦笑)。金本監督にはそうならないようにしてほしいと思いますね。

 でもまあ、これでチームの雰囲気はがらりと変わると思いますよ。なぜって?試合中のベンチの鳥谷の顔を見ましたが、チームももう一度元気が出るんじゃないかな、と思わせてくれる主将の笑顔が見られましたからね。

PROFILE
おおくぼ・ひろもと●1967年2月1日生まれ。茨城県出身。水戸商高から85年ドラフト1位で西武に入団。トレードで巨人入りした92年に15本塁打。95年現役引退。野球解説者やタレントを経て、2008年に西武コーチに就任し日本一に貢献。12年からは楽天打撃コーチ、二軍監督を経て15年に一軍監督に就任した。15年限りで辞任し、今年から野球解説者をこなしながら新橋に居酒屋「肉蔵でーぶ」を経営している。
デーブ大久保の「さあ、話しましょう!」

デーブ大久保の「さあ、話しましょう!」

元楽天監督、現解説者の「デーブ」こと大久保博元氏の連載コラム。

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