非凡な打撃センス
ソフトバンクと熾烈な優勝争いを演じた
西武ですが、MVPの有力候補となるのが、捕手の
森友哉選手です。
9月18日現在、打率.336、22本塁打、101打点をマーク。パ・リーグの首位打者争いでもトップにいます。プロ6年目で規定打席到達は2年目の15年と昨年だけですが、1年目から打率.275をマークし、通算でも.300。大阪桐蔭高時代からバッティングセンスには非凡なものがありましたが、プロでも着実に成長しています。
身長170センチと決して上背があるタイプではありませんが、スイングはややアッパー気味ながら力強く、基本どおりインサイドから出て、体近くで回す理想的なスイングになっています。しっかり引き付けて自分のタイミングで打つことができていますし、下半身を柔らかく使い、ステップを踏むまでに間(ま)をつくることができているので、多少、変化球でタイミングを崩されても対応できます。
バットコントロールも巧みです。9月11日、ソフトバンクとの首位攻防戦(メットライフ)の3回二死満塁で、相手の先発、アンダースローの
高橋礼選手から走者一掃の二塁打を放っていますが、このときは低めに決まったシンカーをうまく拾い、最後は片手を離してヒットにしていました。まさに天才的なバッティングでしたね。
豪快さプラス確率も
昨年まで少し気になったのは、力強さを出そうとして意識が下半身に行き過ぎているのか、特徴である沈み込みが必要以上に深くなっていた点です。そこから打つときに体が伸びて少し浮いてしまったため、打ち損じてしまうことがありました。また、長打を狙うあまり、大振りになっているときもありましたが、今季は、そこまで大振りではなく、得点圏打率も.412と高い。無理に引っ張るのではなく、状況に応じたバッティングができています。
しかも、それでいてホームラン、打点も昨年以上のハイペースです。これは技術的な進化とメンタル面の成長があってこそと思います。
何より、キャッチャーというハードなポジションで、これだけコンスタントに打っているのは本当にすごいことです。2012年の
巨人・
阿部慎之助選手以来という史上4人目の捕手の首位打者を期待しています。
PROFILE 立浪和義/たつなみ・かずよし●1969年8月19日生まれ。大阪府出身。PL学園高からドラフト1位で88年
中日入団。1年目からショートのレギュラーをつかみ新人王、ゴールデン・グラブに。その後、95年から97年とセカンド、03年にはサードでゴールデン・グラブに輝き、96年にセカンド、04年にサードでベストナインを手にしている。09年限りで引退。通算2586試合2480安打、135盗塁、打率.285。487二塁打は日本球界最多記録でもある。