
4月14日の広島戦(甲子園)の第4打席に右前打を打って以来ヒットのない梅野
プロ野球ファンというか、セ・リーグファンは現在規定打席をクリアしている打者で最低打率は誰か、よくご存じだと思う。そう
巨人の
小林誠司捕手だ。ではその前は誰だか分かるだろうか。
答えは
阪神の
梅野隆太郎捕手だ。打率.164(4月24日現在)。開幕直後はいい場面での適時打もあり、勝負強さを見せていた。今季は開幕から19試合すべてでスタメンマスクをかぶり、ほぼ全イニングを任されており、正捕手になるための修業中と言ったところ。元々強肩で、現在盗塁阻止率も.375(4月21日現在)と高い。
矢野燿大作戦兼バッテリーコーチも「いいタイミングでマウンドにも行っている」とその成長を称えている。
もともとは打撃にも自信があったが、昨年は開幕から大不振に陥り正捕手争いから後退した。その反省を踏まえての2017年だったが、はやくも試練の日々となってしまった。
実は4月14日の広島戦(甲子園)の第4打席に右前打を打って以来、安打なしで打率が急降下している。24日までの10日間、26打席連続無安打という不名誉な記録が続いている。4月25日の本拠地・甲子園での
DeNA戦で、そのピリオドが打たれるか楽しみだ。
「ああ~! 今日も忘れてしまいましたよ、すいません。顔を見ると思いだすんですよね。次はぜったいに持ってきますから(苦笑)」。実は梅野捕手にあるものを貸しているのだが、今キャンプ中、開幕直前の二軍施設で、申し訳なさそうに話しかけてくれた。このシリーズで取材に行く予定だが、今回はなるべく会わないようにしよう。変な気を使わせるより、まず打席に集中してほしいと思う。チームは好調なだけに、この3連戦で梅ちゃんの打棒が復活すれば、3タテ、首位奪取の可能性もあるはずだから。
文=椎屋博幸 写真=太田裕史