3月20日発売の週刊ベースボールではプロ野球の2018年シーズンを大展望しているが、巻頭インタビューを飾っているのはソフトバンク・柳田悠岐だ。再び日本一を挑む戦いがスタートするチームの中心選手の意気込みは強い。そのインタビューの一部を、ここにお届けしよう。 開幕戦は「1年が始まる」と気持ちが引き締まる

ソフトバンク・柳田悠岐
――いよいよ、2018年シーズンが開幕します。
柳田 体のコンディションはすごく良いです。オープン戦でもバッティングの“感覚”を詰めていくだけだったですけど、良い方向に進んでいると思うので、開幕してからもさらに状態を上げていけるようにしたいと思っています。
――昨年、本拠地のヤフオクドームの人工芝が毛足の長いタイプのものに張り替えになったことで、打撃の意識を「フライを打つ」方向に変えました。
柳田 ゴロを打ってもヒットにならないと思ったからですね。打球が死んで野手の間を抜けませんから。それで結構、バッティングの感覚は変わったんですよ。いいか、悪いかの答えはまだまだ、分かっていないですけど、続けていくことで見えてくるものがあるような気がしています。「もっともっと、打てるように」っていう感じです。
――突き詰めれば、これまでの自分を超える感覚がある。
柳田 可能性はあると思っています。
――そのシーズンではどういうことに“挑む”ことになりますか。
柳田 それはチームの日本一です。それしかないんですけど、やっぱり打たないと、日本一にはなれないと思うんで、そのために練習してたくさん打つ、それだけです。
――16年に逃した日本一を、昨年、奪還し、そこから自主トレ、キャンプは何を目的に過ごしてきたのでしょうか。
柳田 一番はやっぱり、筋力トレーニングとかランニングとかで、体を鍛え直すことでした。毎年、やってきていることですけど、細かく計測して筋力値を見てみれば、まだまだ数字を伸ばさないといけないと思うんで、そういうトレーニングが今年は、ここ数年よりはできたんじゃないかなと思います。数値も良くなっていましたので。ただ、結局はそれを野球につなげないと意味がないので。鍛えて身についたものを、バッティングだったらしっかりボールに伝えるというか。
――それが詰めてきたという“感覚”。
柳田 そういうことですね。どうなればいいという基準があるものでもないので、開幕してからも試行錯誤はしていくものなんですけど、ある程度は良い状態で、自分が納得いく状態で開幕を迎えることができるのがベストかなと思います。
――その開幕戦は本拠地に
オリックスを迎えます。柳田選手にとって開幕戦はどのような意識を持つものなのでしょうか。
柳田 また1年が始まるなって身が引き締まる感じになります。でも、シーズンは長いんで、「開幕戦だから絶対打つ」とかっていう気持ちよりは、「1年が始まる」と気持ちを引き締める感じですね。
――特別な緊張感は?
柳田 正直、あんまりないですね。「また1年が始まるわ」としか思わないですね。
――シーズンを歩み出す一戦です。
柳田 1シーズンは本当に長いんで、肉体的にも精神的にもきついときが絶対に来るんで、そういうものとまた戦うんだなっていう感じです。決してイヤなんじゃないですよ。状態が良いときは淡々と時間が流れていくんですけど、良くないときはどうにかしようと思うじゃないですか。そのときっていうのは、結構苦しいものなんです。必ず来るそういうものに負けないようにしないといけない。開幕戦はそういうものが始まるんやなって思うものですね。
写真=湯浅芳昭