
小坂はこの年56盗塁で新人王に
プロ野球の歴史の中から、日付にこだわってその日に何があったのか紹介していく。今回は4月5日だ。
新人・
藤岡裕大、
菅野剛士の活躍もあって好調なスタートを切った
ロッテ。今季よりコーチとしてロッテに復帰した
清水将海、
小坂誠は自らのルーキーイヤーを思い返していたかもしれない(小坂は二軍コーチだが)。
1997年4月5日、パ・リーグが開幕。先発陣の軸となる
伊良部秀輝、
ヒルマンが抜けたロッテの下馬評は低かったが、その開幕戦、対
日本ハム戦(東京ドーム)に6対0と快勝した。
立役者になったのは、ドラフト5位の小坂誠とドラフト1位の清水将海の新人2人だ。試合前、レン・サカタ内野守備コーチは、小坂を「打てる、走れる、守れる。高い技術を持った素晴らしいプレーヤーだ。ほとんどアドバイスをする必要もない。2、3年後にはオールスター級の遊撃手になるはずだ」と絶賛していたが、オープン戦で打率.387をマークし、フレッシュマン大賞に輝いていたとはいえ、さすがにほめ過ぎかに思えた。
しかしサカタ・コーチの予言どおり、二番スタメンで出場した小坂は3安打で新人史上9人目の開幕戦猛打賞。ほか1四球1犠打を記録し「めちゃくちゃ緊張して手が震えました」の言葉が疑わしいほど落ち着きはらっていた。さらに先発の
小宮山悟を完封に導き、打っては7回に史上12人目の新人開幕戦本塁打で援護射撃したのが清水。「完封できたことのほうがうれしい」と捕手としてのこだわりも見せた。
ロッテは翌日も勝利し、開幕連勝。ただ、ロッテファンの方には非常に申し訳ないのだが、同年は終わってみたら最下位だった。
写真=BBM