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プロ野球仰天伝説

投手ゴロで一塁にゴロで送球した白木義一郎のおちょくり投法/プロ野球仰天伝説168

 

長いプロ野球の歴史の中で、数えきれない伝説が紡がれた。その一つひとつが、野球という国民的スポーツの面白さを倍増させたのは間違いない。野球ファンを“仰天”させた伝説。その数々を紹介していこう。

のちに国会議員になった右腕



 長いアゴが印象的な頭脳派投手・白木義一郎(東急ほか)。多彩な変化球と「無理をしないとボール球を投げられない」とまで言われた抜群の制球力を武器に、1946年のルーキーイヤーにいきなり30勝を挙げ最多勝を手にすると、翌47年も26勝、今度は防御率1.74で最優秀防御率に輝いた。

 47年になると、白木は平凡な投手ゴロで打者が本気で走らないとき、ギリギリになりそうなタイミングで一塁にゴロで転がしたり、一度、捕手や二塁、三塁に投げたりする“おちょくり”を始めた。

 普通なら監督に怒られそうだが、東急は「プロはファンを喜ばせてナンボ」と考える名人・苅田久徳が兼任監督だ。逆に面白がってドンドンやらせた。

 なお、白木は熱心な創価学会の信者でもあり、ピンチになるとマウンドでお経を唱えることもあったという。52年阪急に移籍し、同年限りで引退。その後、公明党から選挙に出て、参議院議員にもなっている。

写真=BBM
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