80年を超えるプロ野球の歴史は、それぞれの球団、それぞれの監督や選手たちが紡いできたものだ。1人1チームを原則に、名将、名選手たちが時空を超えて集結。オールタイムの“優勝チーム”を探してみよう。 オリオンズとマリーンズの混成打線
ロッテ・オリオンズとなったのが1969年。翌70年にはパ・リーグを制し、74年には日本一に。78年には県営宮城から川崎球場へと移転、92年には千葉へ移り、現在の千葉ロッテマリーンズとなったものの、低迷が続いた。
2005年にシーズン2位からプレーオフを勝ち上がって31年ぶりのリーグ制覇、日本一に。10年には3位からクライマックスシリーズ、日本シリーズと勝ち進み“史上最大の下剋上”で日本一となった。
98年の18連敗など、勝っても負けてもドラマチックなチーム。そんなロッテの69年から現在までの選手でオーダーを組んでみる。
【ベストオーダー】
監督・バレンタイン
一(中)
西村徳文 二(一)
福浦和也 三(指)
レロン・リー 四(二)落合博満
五(三)
初芝清 六(左)
有藤道世 七(右)
サブロー 八(捕)
里崎智也 九(遊)
堀幸一 投手
村田兆治 指揮を執るのは05年に日本一へと導いたバレンタイン監督。全136試合で125通りの打順を組んだ“ボビー・マジック”の使い手だけに、ここでの打順も、ほんの“一例”だ。
選手としては優勝できなかったが、監督として“下克上”を主導した西村徳文がリードオフマン。バレンタイン監督のラストイヤーは二番が多かった福浦和也が続く。優勝への貢献度はゼロだが、三番からはオリオンズの歴史では欠かせない通算打率.320のリー。三冠王3度の落合博満が並んだ。
五番からは05年の日本一を見届けて引退した初芝清、六番には“ミスター・ロッテ”有藤道世(通世)、七番には05年の“つなぎの四番”サブローと、新旧の中心打者が交互に続く。八番は司令塔として2度の日本一に導いた里崎智也。九番は全打順で本塁打を放ったロッテ屈指の職人でもある堀幸一で、一番から首位打者が4人も並ぶ打線をつなぐ。
ただ、ゴールデン・グラブに選ばれたのは一塁手の福浦と三塁手の有藤、外野手のサブローに、二塁と外野で選ばれた西村の4人のみ。三塁守備に「こだわりがある」初芝の存在で、有藤は現役終盤に守った左翼へ。二塁守備も職人肌だった堀は、ここでは落合の存在で遊撃に回り、守備には不安が残る。遊撃手では
西岡剛、三塁手では
今江敏晃(年晶)もいるが、ともに他チームの現役選手だ。
外野手では、西村と同じ一番・中堅に74年の日本シリーズMVPとなった“突貫小僧”
弘田澄男、オリオンズ最後のタイトルとなった首位打者の
平井光親、現役屈指の巧打者でもある
角中勝也もいる。また、現在の監督でもある
井口資仁は二塁手で、一塁や三塁の経験も豊富な落合をコンバートして、井口を打線に組み込んでもいい。
投手陣もドラマチック

ロッテ・村田兆治
投手陣はエースの村田兆治を中心に、オリオンズ時代は最多勝2度の
成田文男、MVP経験者では70年の
木樽正明、74年の
金田留広らがいた。
マリーンズ時代には
伊良部秀輝や
小宮山悟、
黒木知宏、21世紀には
渡辺俊介に
成瀬善久、
涌井秀章らがいて、スターターは多彩。リリーバーではオリオンズに
牛島和彦、マリーンズに
小林雅英がいる。
巨大戦艦のようなチームほどの重厚感こそないが、ドラマチックな日本一を経験した打線に、それ以上にドラマチックな投手陣。実際の“下克上”以上に劇的な戦いを繰り広げそうな雰囲気は漂っている。
写真=BBM