
7月13日のオールスター第1戦で、全セの先発として先発のマウンドに立った中日の松坂大輔
平成最後のオールスターゲームの第1戦が7月13日に京セラドーム大阪にて行われ、全パが7対6で勝利を収めた。3回までにセ・パ合わせて5本のアーチが飛び交うなど、お祭りならではの豪快な打ち合いは、一見の価値があったのではないか。
そんなオールスターの楽しみ方は人それぞれ。チームを超えた意外な選手同士のつながりを知ることができたり、先発投手が中継ぎを任されることもある超豪華リレー、どちらかといえば打者有利の真っ向勝負もそうだが、マニアックなところで言えば、オールスター用にメーカー各社が用意したギアもその1つではないか。
かつて
日本ハム時代のSHINJO(
新庄剛志)が金色のバットや、ダイヤモンド入りのスパイクを履いたのも記憶に新しいが、各選手がセ・パ公式戦で使用するものとは異なり、特別なカラーリングが施されたギア(グラブ、バット、スパイク、バッティンググローブなど)を使用するのが近年のパターン。
第1戦を見てみると、例えばゼットのミットを愛用する
巨人・
小林誠司と
ヤクルト・
中村悠平らが黄色をベースに複数の色が入ったミットを持ってベンチに並んでいたり、アンダーアーマーのギアを使用する
オリックスの
糸井嘉男、
吉田正尚、巨人・
岡本和真らが左右で色の異なるスパイク、バッティンググローブを使用していたのも目を引いた。同じメーカー使用者が、おそろいのギアを使用するのもいい。
個人的に注目していたのが、12年ぶりにオールスターに選出された中日の松坂大輔のグラブだ。全セの先発として1回4安打5失点に「返り討ちに遭いました」と、結果は残念だったが、その左手にはめられていたのは、GLOVE STUDIO RYU(以下、RYU)の真っ赤なグラブだった。
RYUはグラブの制作工場で腕を磨いた30代前半の職人が、岐阜県内に工房を構えて2017年にスタートさせたばかりの新進気鋭のメーカーで、龍の顔がスタイリッシュにデザインされたメーカーラベル(エンブレム)も特徴的。熱烈な松坂ファンが、今季の開幕前にRYUに特別オーダーして本人にプレゼントしたことがきっかけで使用するようになり、ここまで3勝はすべてRYUのグラブで先発した試合だった。
ペナントレース中は青をベースにしたグラブを使用しているが、オールスター第1戦は赤。グラブ背面には「OSAKA」と刺繍が施されていたことから、14日に熊本で行われる第2戦には、「KUMAMOTO」バージョンで練習に現れるかも? そんなところにも注目しつつ本日の第2戦も楽しんでほしい。
文=坂本 匠 写真=BBM