不動の三番打者。安定感がある
現状、セ・リーグ打撃部門の最大の驚きは、
広島・
丸佳浩の四球数ではないか(8月6日現在)。
75試合で82四球のハイペース。しかも丸のヒットは78本だからそれを上回っていることになる。したがって打率は.317ながら出塁率.489と高く、打率が3割3分台だった時期は出塁率も5割を超えていた。
もちろん、それだけ警戒されているからである。丸のホームランは24本で、その上に
バレンティン、
山田哲人の
ヤクルトコンビが26本でいて3位だが、丸は故障で離脱の時期もあったので、本塁打率はトップ。
ただし、四番の
鈴木誠也も好調とあって、相手チームも、なかなか丸との勝負を避けるわけにはいかない。抜群の選球眼と、球をしっかりひきつけ、くさい球はファウルで逃げる丸の高い技術もあってこその記録だろう。
球団別でみると、丸は完全に
巨人をカモにし、打率.463、出塁率.607を誇るが、ヤクルトには打率.233、
中日が.242。これは広島打線全体の傾向だが、ナゴヤドームに苦しみ、打率はなんと.143となっている。
今後首位打者を狙っていくなら、この2チーム、とくに中日戦がカギとなってくるはずだ。
過去、四球数が安打数を上回った例は2014年、
楽天の
ジョーンズ(安打99、四球118。打率.221)がいるが、かなりレアな記録である。
その中で複数回達成しているのは、世界のホームラン王、巨人の
王貞治だ。
1966年安打数123、四球142、71年安打120、四球121、74年安打128、四球158、75年112、四球123となんと4回達成している。
安打のほうがチームに勢いもつき、丸にしても絶対に達成したい記録というわけではないだろうが、大打者の一つの勲章と言っていいのではないか。