今年38歳を迎える「82年世代」。1982年4月2日~1983年4月1日に生まれた同学年の世代という定義で、高校時代は敦賀気比の
内海哲也(現
西武)、柳川の
香月良太(元近鉄、
オリックス、
巨人)、浦和学院の
坂元弥太郎(元
ヤクルト、
日本ハム、横浜、西武)ら好投手が名を轟かせていた。大卒の選手では明大の
一場靖弘(元
楽天、ヤクルト)、日大の
那須野巧(元横浜、
ロッテ)の評価が高かったが、入団後は目立った成績が残せなかった。
プロで活躍した選手たちを見ると、
内川聖一(
ソフトバンク)、
中島宏之、
亀井善行(ともに巨人)、
畠山和洋(現ヤクルト二軍打撃コーチ)、
片岡治大(現巨人二軍内野守備走塁コーチ)、
田中浩康(現
DeNAファーム内野守備走塁コーチ)、
赤松真人(現
広島二軍外野守備・走塁コーチ)、
鉄平(現楽天一軍打撃コーチ)など職人気質の選手が目立つ。現在も現役でプレーする選手は6人。若手が台頭する中でもう一花咲かせてほしい。

巨人・中島宏之
・中島宏之(巨人)
西武時代は打率3割を6度マークするなど強打の大型遊撃手として活躍。2008年の北京五輪、09年の第2回WBCにも出場した。オリックスから巨人に移籍した昨年は打率.148の打撃不振。今年はグリップの位置を下げて、左足の上げ幅を小さくした打撃フォームに改造してオープン戦打率.351、4本塁打と好調だ。
・内川聖一(ソフトバンク)
横浜(現DeNA)に2001年ドラフト1位で入団し、入団8年目の08年に大ブレーク。右打者最高打率.378をマークすると、ソフトバンク移籍後もセパ両リーグで史上2人目の首位打者、18年にはプロ通算2000安打を達成した。WBCにも3度出場。球界屈指の安打製造機は不本意な成績が近年続いているが、今年は復活を期す。
・亀井善行(巨人)
この世代で最も衰え知らずの選手が亀井だろう。球界屈指の外野の守備力に加え、昨年はシーズン中盤から一番打者を打つなど打率.284、13本塁打でリーグ優勝に大きく貢献。「陰のMVP」と評価され、プロ15年目で初の年俸1億円を突破した。今年もチームに不可欠な存在。
・
藤田一也(楽天)
内野の守備は球界随一と評価が高い。大きく輝いたのは横浜(現DeNA)から楽天にトレード移籍してから。2013年にベストナイン、ゴールデン・グラブ賞を獲得する活躍で球団創設以来初の日本一に貢献した。近年はスタメンでの出場が減っているが、バイプレーヤーでチームを支える。
・
中田賢一(
阪神)
中日、ソフトバンクを渡り歩き、プロ15年目で通算100勝をマーク。抜群の球威を誇るが荒れ球であることから「暴れ馬」と評されることも。昨オフに無償トレードで阪神へ移籍。中日時代と同じ背番号「20」で先発ローテーションの一角を狙う。
・
山崎勝己(オリックス)
兵庫・伊丹市の桜台小学校時代に中島宏之とバッテリーを組んでいた。リード面の評価が高く、選手たちの人望が厚い。チーム最年長のベテランは昨季15年ぶりの無安打に終わったが、まだまだ老け込む年ではない。
写真=BBM