
FAで加入した鈴木大への期待は大きい
「どんな役割を演じるのか」。そんな枠には収まらない幅広い活躍が期待できそうだ。今季、
ロッテから
楽天へFA移籍してきた
鈴木大地。6月10日の
西武戦(メットライフドーム)に「七番・一塁」で先発出場すると、2回走者なしの場面で
今井達也の150キロの直球を仕留め、右翼席中段へ練習試合第1号をたたき込んだ。「開幕が近くなってきたので、1本出てよかった」と本人は笑顔。相手投手にとって、楽天打線のこの位置に鈴木大がいるのは厄介だろう。
練習試合では11日までに先発出場した8試合のうち、「二番・三塁」が3度、「五番・三塁」が4度、そして「七番・一塁」が1度だった。さまざまな打順、そして複数ポジションをこなせることを実戦でアピールしている。
鈴木大は昨年末に行った本誌インタビューで以下のように語っている。「三木(
三木肇)監督の野球は、1点をもぎ取りにいく、常に先の塁を狙う、進めるという野球。それは今まで自分がやってきたものでもある。そうした野球の中でどう必要とされるのか、どう動けるかをしっかりイメージしておかないといけない」。
本塁打はそんなイメージの中での副産物に過ぎない。求められるのは上位、下位を問わず打線の「つなぎ役」になることだろうが、役割は一つだけではなさそうだ。状況次第で求められる仕事も変化する。今後、鈴木大が三木野球にどうなじんでいくかが、楽天の成績を左右するかもしれない。
写真=BBM