
新シーズンは抑えに戻る
2020年シーズンは不完全燃焼に終わった。
楽天・
松井裕樹は先発に再転向したものの、25試合で4勝5敗2セーブ、防御率3.18。9月末に中継ぎに回り、その後、再び抑えに戻ると、ようやく本領発揮。だが、チームは浮上することなく4位に終わった。
それでも、苦い経験を左腕はプラスにとらえている。「うまくいかないことのほうが多かったけど、毎週もがいたこともいい経験になった。先発、イニングの途中で左打者に投げたり、セットアッパー、クローザー、ひと通り経験できたことに関してはよかった」。
21年は
石井一久新監督と話し合った上で、再び抑えの役割を担うことが決まった。「自分自身、そのつもりでいた。ウイニングボールを先発投手に渡すのは抑えしかできない」と、慣れ親しんだ場所で躍動することを誓った。
もう一つ、大きなモチベーションが存在する。1年延期となった東京五輪だ。「去年あったら出られるような状況じゃなかった。鼻息を荒くして、当然出たい。いい結果を残せるような準備をしていく」と意気込んでいる。
先発としての新たなチャレンジには失敗したが、それも糧にし、スケールアップしたクローザーを目指す。
写真=BBM