2021年4月25日終了時点で、パ・リーグのチーム打撃成績最下位なのが
日本ハム。打率、安打、本塁打、打点のすべてで最下位と苦しい状況に陥っている。とにかく打てない今季の日本ハム打線だが、チーム三振数も実は厳しい状況なのだ。今回は、日本ハムの三振数にフォーカスを当ててみた。
チーム三振数は12球団最多

日本ハムは主砲・中田の調子もなかなか上がらない
12球団のこれまで(4月25日終了時点)のチーム三振数を「少ない順」に並べると以下のようになる。
1位
西武:170
2位
楽天:172
3位
中日:185
4位
巨人:186
5位
オリックス:188
6位
広島:193
7位
ヤクルト:194
8位
阪神:196
9位
DeNA:199
10位
ロッテ:203
11位
ソフトバンク:204
12位 日本ハム:225
最も少ないのが西武で170。一方、日本ハムは200三振超えで最下位。ブービーのソフトバンクも204三振と多いが、日本ハムとはそこからさらに20三振もの差がある。
今季の日本ハムはとにかく三振が多い。4月16日の楽天戦(東京ドーム)では14三振を喫するなど、2ケタ三振は25試合でなんと11度も記録している。ライバルチームに強力な投手が多いというのもあるが、それを差し引いても三振が多過ぎる。今季の日本ハムはチーム防御率もリーグ最下位。打てない、守れないではリーグ最下位に沈むのも無理はない。
歴代最多を更新するペース

バットコントロールに定評のある近藤も今季は三振が増えている
現在までに25試合を終えているので、日本ハムは1試合平均9.00個の三振をしている計算になる。今季は143試合が行われるので、残りは118試合。仮に今後も同じペースが続くとすれば、最終的に1287三振に到達する。シーズン最多三振のプロ野球記録は2014年に西武が記録した1234三振。恐ろしいことに歴代最多を上回るペースだ。
日本記録更新ペースで三振を積み重ねている日本ハムだが、そもそも三振が多いチームでもある。2016年から2020年までのシーズン三振数は以下のとおり。
2016年 1076(リーグ6位)
2017年 1122(リーグ6位)
2018年 1101(リーグ5位)
2019年 1044(リーグ4位)
2020年 878(リーグ3位)
昨シーズンはソフトバンク、オリックスに次いで少なかったが、それ以外の4年間はリーグ下位。2016年と2017年はリーグ最多だった。三振数は本塁打を多く放つような強打者ほど多くなる傾向にあり、そうしたパワー型のバッターが多いとチーム三振数も必然的に多くなる。実際、2014年に西武が歴代最多を記録した際も、三振数がダントツに多かった一方で、本塁打数もリーグトップだった。日本ハムも球界を代表するバッターである
中田翔をはじめ、強打者が多いため三振数が増えるのは仕方ない。しかしながら、今季の三振数は異常だ。
その原因はやはり打撃陣の不調だ。
淺間大基や
野村佑希といった頭角を現しつつある若手はいるが、主砲の中田やヒットメーカーである
近藤健介の調子がなかなか上がらない。特にバットコントロール技術に定評のある近藤が、すでにチームトップタイの23三振と思うようなバッティングができていないのが大きい。これまで年間100三振を超えたことはなかったが、今季は自己ワーストペース。持ち前の選球眼で高い出塁率は維持できてはいるが、まだ本調子にはほど遠い。
日本ハム打線の三振数にフォーカスしてみてが、日本記録更新ペースと状況はかなり深刻なようだ。一時期まったく出ずに不安視された本塁打は現在12本と持ち直しつつあるが、とにかく打線がつながらないのが問題。ヒットは出ても散発では得点も奪えない。いまいち元気のない投手陣を援護するためにも、早期の打線復調が必要だ。
文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM