前半戦を終えた段階の打率ランキングを見ると、活躍が目立つのが
DeNAだ。打率.328でリーグトップの
佐野恵太を筆頭に、
桑原将志、
タイラー・オースティン、
宮崎敏郎が3割以上を記録している。もし全員が3割を維持したままシーズンを終えることができれば、1チームから3割打者が4人も出ることになるが、過去に同様のケースはあったのだろうか? 今回は、現在のチーム体制になった2005年以降での「1チームあたりの3割打者人数」を調べてみた。
2005年以降最多は5人

メジャーから阪神で日本球界に復帰した2010年、いきなり打率3割をマークした城島
2005年以降、各年の打率ランキングを基に「1チーム当たりの3割打者の数」を調べた。その結果、最多は「5人」で、以下の3チームが該当する。
●阪神(2010年)
・
平野恵一 打率.350
・
マートン 打率.349
・
新井貴浩 打率.311
・
城島健司 打率.303
・
鳥谷敬 打率.301
●
ヤクルト(2014年)
・
山田哲人 打率.324
・
雄平 打率.316
・
畠山和洋 打率.310
・
川端慎吾 打率.305
・
バレンティン 打率.301
●
ソフトバンク(2014年)
・
柳田悠岐 打率.317
・
中村晃 打率.308
・
内川聖一 打率.307
・
李大浩 打率.300
・
長谷川勇也 打率.300
2010年の阪神は、新井や鳥谷、平野といったレギュラー陣に加え、MLB帰りの城島健司や新外国人のマートンが実力を遺憾なく発揮。リーグ2位で日本シリーズ進出はかなわなかったが、5人が3割超え、クリーンアップ全員が100打点突破と強力な打線を形成した。
2014年にはヤクルトとソフトバンクの2チームが3割打者を5人輩出。ヤクルトは翌年にトリプルスリーを達成する山田が自身初の3割をマークすると、畠山や川端も好調でリーグトップのチーム打率を記録した。しかし、打線は好調でも投手陣が絶不調で、残念ながら最下位に沈んでいる。
ソフトバンクも翌年のトリプルスリー男・柳田悠岐が初の3割到達。さらに全144試合出場と、柳田にとって飛躍の1年となった。この年のパ・リーグは、打率3位の柳田から6位タイの李、長谷川までソフトバンクの選手がずらっと並んでおり、チーム打率は両リーグトップの.280。リーグ優勝、日本シリーズも制覇と、同じくリーグトップの打撃力を誇ったヤクルトとは正反対の結果となった。
3割打者4人は5度記録されている

2005年のソフトバンクはズレータ[写真]ら4人が打率3割をマーク
次に、3割打者を4人輩出した例を調べたところ、2005年以降で5度記録されている。
●ソフトバンク(2005年)
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フリオ・ズレータ 打率.319
・
松中信彦 打率.315
・
宮地克彦 打率.311
・城島健司 打率.309
●
ロッテ(2005年)
・
今江敏晃 打率.310
・
堀幸一 打率.305
・
マット・フランコ 打率.300
・
福浦和也 打率.300
●
楽天(2006年)
・
リック・ショート 打率.314
・鉄平 打率.303
・
ホセ・フェルナンデス 打率.302
・
高須洋介 打率.300
●
日本ハム(2009年)
・
高橋信二 打率.309
・
糸井嘉男 打率.306
・
金子誠 打率.304
・
稲葉篤紀 打率.300
●ヤクルト(2018年)
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青木宣親 打率.327
・雄平 打率.318
・
坂口智隆 打率.317
・山田哲人 打率.315
ヤクルトとソフトバンクは、「5人輩出」だけでなく「4人輩出」も記録している。「3割打者を4人以上」を2度経験しているのはこの2チームのみ。しかし、今季はどちらも打撃面で苦しんでおり、双方3割打者がいない状況だ。これからどこまで巻き返すか、後半戦に期待したい。
2005年以降の「3割打者輩出人数」は、阪神、ソフトバンク、ヤクルトが記録した5人が最多。また、4人は5度記録されている。今季は、DeNAに2005年以降では6チーム目の「3割打者4人輩出」、さらには4例目の5人輩出の期待がかかる。マークがさらに厳しくなり、体力面でもつらくなる後半戦、果たして何人が3割をキープできるのか注目したい。
文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM