
攻守で成長を続けるルーキー。茶目っ気たぷりでムードメーカーとしても期待
以前、ルーキーの
元山飛優が、入団前の選手名鑑用のアンケートでユニークな回答を連発していた……というコラムを書いた。元山は投手のために用意された「持ち球・変化球(※投手のみ)」という項目に、「ヒユーボール」と記入しており、謎に包まれたボールの真相解明が急がれる――という形でコラムを締めたはずだ。さて、今回はその「ヒユーボール」について本人に聞いたので、さっそくご報告させていただく。
茶目っ気たっぷりなルーキーのインタビューは、「マ
スコット特集」だった8月16・23日号に掲載した。この取材は電話で行われたが、元山はイメージどおり、ハキハキと流暢に受け答えしてくれた。そしてインタビューの最後、ついにヒユーボールについて問いかけた。
元山は「そんなの書きましたね!」と懐かしそうにしつつ、「いや、どんなボールかは特に考えてなくて」と笑った。佐久長聖高時代は、投手としてマウンドにも上がっていた元山だが、「肩の強さにはちょっと自信があるんですけど、ぜんぜん変化球は練習してなかったので。ストレートと、ただ雰囲気だけで投げるって感じの変化球。もうぜんぜん、ピッチャーとしての実力はなかったので」と、ヒユーボールがスペシャルな変化球であることを全否定した。
しかし、元山の“プロ意識”は高い。ヒユーボールの正体は「いろんな方にいろんな仮説を立てていただいて、楽しんでもらいたいなと思っています」と、ファンを楽しませるエンターテイナーぶりをのぞかせた。さらに「僕の投げるボールは、すべてヒユーボールです」とも。つまり、ショートゴロをさばいての一塁送球も、ヒユーボールということになる。そう考えると、なんだか元山の守備から目が離せなくなりそうだ。
文=依田真衣子 写真=BBM