小鶴誠は130試合での記録

村上は打点でもシーズン歴代上位に食い込みそうだ
必然的に、と言うべきか、このコーナーにも何度も登場している
ヤクルトの
村上宗隆。今季、三冠王の可能性は高まる一方で、ただの三冠王どころか歴史的な成績を残すことになりそうだ。
最後の関門となりそうな打率、シーズン最多となる2013年
バレンティン(ヤクルト)の60本更新が期待される本塁打についてはこれまでに触れてきたので、今回は打点を見ていこう。
シーズン最多打点は1950年の
小鶴誠(松竹)。この前年からいわゆる「飛ぶボール」が使用されるようになったからとも言われるが、当時の日本記録となる51本塁打、161打点で打撃2冠を獲得。打率は.355で
藤村富美男(
阪神)の.362に及ばなかったものの、出場130試合での記録だからすごい。ちなみにこの年の藤村の146打点は歴代4位タイだ。
2位は史上最強助っ人の1人である横浜の
ロバート・ローズが99年に挙げた153打点。7月22日のヤクルト戦ではセ・リーグタイ記録となる10打点をマークするなど、日本一となった前年以上の輝きを見せ、当時の右打者最高打率となる.369で首位打者、やはり当時のセ記録となる192安打で最多安打に輝き、リーグ3位の37本塁打をマーク。小鶴同様、三冠王にあと一歩の打棒を発揮した。
村上はチームが123試合を消化した9月8日時点で1試合の欠場があり、積み上げた打点は127。残り試合にすべて出場すれば147打点ペースということになり、3位で147打点の2005年の
今岡誠(阪神、現・真訪)、146打点で藤村と並ぶ85年三冠王の
落合博満(
ロッテ)に匹敵する数字となる。
打点は前の打者がどれだけ出塁しているかといった「運」にも左右されるため、セイバーメトリクスをはじめとする統計的な選手評価の指標としてはあまり重視されない傾向にあるが、チームの勝利に直結するスタッツであることは間違いない。「投高打低」と言われる中で史上トップクラスとなる成績をたたき出そうとしている村上が、残る試合でどれだけチームの勝利につながる、そして優勝に導く打点を挙げていくのかにも注目だ。
写真=BBM