なぜ鎧を着たか、そしてなぜ脱ぎ捨てることができたのか

『つじのじつ話』表紙
埼玉西武ライオンズ前監督、
辻発彦氏の著書『つじのじつ話(わ)』が、6月28日、ベースボール・マガジン社より発売される。監督退任後、初の著書で監督時代の背番号と同じ85の“読むと元気になる”逸話で構成された一冊だ。
2017年、前年まで3年連続Bクラスの埼玉西武ライオンズ監督に就任した辻氏は、相次ぐ主力選手の移籍を乗り越え、初年度から2位のあと2018、2019年はリーグ連覇と鮮やかにチームを生まれ変わらせた。
選手目線の言葉と笑顔が印象的な指揮官であり、強力打線を率いるイメージもあって『猛獣使い』の異名も取った。
しかしながら、辻氏は現役時代、西武ライオンズ黄金期の不動のセカンドとして「笑わない男」とも言われた。
グラウンドでは試合でも練習でも、常に厳しい表情で妥協なきプレーを見せた。
選手・辻と監督・辻はなぜここまで違ったのか。尋ねると、それは「鎧を着ていたから」だと答えてくれた。そして、その分厚い鎧を監督最終年の2022年には完全に脱ぎ捨て、野球を心の奥底から楽しんだという。
では、「選手・辻発彦」は、なぜ分厚い鎧を着たのか、「監督・辻発彦」は、なぜその鎧を脱ぎ捨てることができたのか。
ユニフォームを脱いだ笑顔の指揮官が明かす、自分らしく、あるがままの監督像を作り上げるまでと、これから。
辻氏は、この一冊についてツイッターで、「わたしのほぼ全てが詰まり、皆さんのイメージを覆す(笑)楽しめる本です。」とつぶやいています。