大島監督とは近鉄でチームメート

法大の助監督に就任した高村氏。NPB通算83勝を挙げている[写真=BBM]
法大は2月1日、
高村祐氏(54歳)の助監督就任を発表した。
宇都宮南高(栃木)では、右腕エースとして2年春(1986年)のセンバツで準優勝を遂げた。法大では同級生の左腕・萩原康(元たくぎん、シダックス)と二本柱を形成し、東京六大学リーグ戦通算16勝を挙げた。
92年ドラフト1位で近鉄に入団。1年目に自己最多13勝を挙げ、新人王を受賞した。2年目以降も先発ローテーションの一角として活躍。2004年オフの分配ドラフトで
楽天に入団し、05年限りで退団した。NPB通算287試合、83勝102敗9S、防御率4.31。
現役引退後は07~15年まで楽天の投手コーチ、16~23年まで
ソフトバンクの投手コーチを務めた。昨季限りで退団。今年1月29日に日本学生野球協会の学生野球資格回復に関する規則4条による認定者となり、学生への指導が可能となった。NPB17年に及ぶ指導実績を、学生野球の現場に落とし込んでいく。
法大は2021年から助監督を務めていた
大島公一監督が1月1日、監督に就任。高村助監督は同監督の2学年後輩にあたり、近鉄でチームメートだった。信頼関係は抜群である。高村助監督は温厚な性格であり、人の懐に飛び込むのがうまい。勝負の厳しさも熟知しており、すぐに学生の気質を掌握するはずだ。
また、野球部OB会(法友野球倶楽部)からの派遣により、技術支援委員として高村氏の同期・萩原氏が指導にあたる(原則、土、日祝日限定)。萩原氏は法大で東京六大学リーグ戦通算22勝を挙げ、社会人野球・シダックス時代には、
野村克也氏(元楽天監督ほか)から薫陶を受けた理論派だ。神奈川大学リーグに所属する桐蔭横浜大での指導キャリアも豊富で、大学生に対するアプローチに慣れている。
法大には157キロ右腕・
篠木健太郎(4年・木更津総合高)と151キロ左腕・吉鶴翔瑛(4年・木更津総合高)とドラフト候補の両輪がいる。2020年春を最後に遠ざかるリーグ優勝へ、投手指導に長けた2人がグラウンドに立つのは心強い限り。高村助監督には元プロとして培ってきた経験、ノウハウを伝授するだけでなく、学生野球における教育的側面からの指導も期待される。
文=岡本朋祐