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川口和久のスクリューボール

川口和久コラム「巨人独走に貢献する『令和のレフティーズ』」

 


平成も4人だった


 みんな「レフティーズ」って覚えているかな。

 1996年、長嶋茂雄監督の下、11.5ゲーム差で巨人が大逆転優勝し「メークドラマ」が流行語になった年があったが、そのときの左腕4人に、長嶋監督自ら命名したものだ。メンバーは現投手コーチの宮本和知、河野ゲンちゃん(河野博文)、阿波野秀幸、そして俺、川口和久だ。

 ご本人から聞いたこともあるが、長嶋さんには「優勝するためには左投手が機能しなければダメ」という考え方があり、補強でも四番の大砲と同じくらい左腕投手を重要視して獲得していた。この4人も宮本以外は移籍選手だからね。

 一番頑張ったのは、39試合に投げたゲンちゃん。阿波野も実は大して投げてないし、宮本は5勝かな。俺も後半だけだった。何度か書いたが、俺はあの年、先発失格の烙印を押された。一度は引退も覚悟したが、フォームを一から作り直し、復帰後はリリーフに回って29試合に投げた。

 あの年の巨人は先発が斎藤雅樹ガルベスくらいしか計算できず、リリーフ勝負になることが多かった。終盤の勝負どころでは俺も抑えとして、しっかり結果を出したつもりだし、だからこそ、10月6日、中日戦(ナゴヤ)の優勝決定試合で、長嶋さんから胴上げ投手という、ご褒美ももらった。


 8月28日、俺は東京ドームのレジェンドシートの解説を田尾安志さんとやったんだが(巨人─中日戦)、試合を見ながら「今年の巨人もレフティーズの存在が大きいな」と思った。この試合は負けたけど、先発した田口麗斗、リリーフ陣は高梨雄平、大江竜聖、中川皓太のサウスポーが頑張っている。大江はワンポイントも多いが、高梨、中川は勝ちパターンの継投で、防御率0点台と頑張っている。

高梨雄平


 どうしても打線の大砲に目が行くし、投手陣なら菅野智之もいるが、俺は今の巨人独走に、このレフティーズの貢献度はすごく大きいと思うよ。……う〜ん、現時点は田口以外かな(笑)。でも、あの日のピッチングを見ていたら田口も決して悪くない。1つきっかけをつかめば、ポンポンと勝ち星が増えていくと思う。

中川皓太


 しかもベンチで「レフティーズ」を陣頭指揮しているのが、宮本というのもたまらんな。もはや彼らを「令和のレフティーズ」と命名していいんじゃないかな。商標を取るなんてケチなことはしませんから、マスコミの皆さんもどんどん使ってください。自然と「じゃあ、平成のレフティーズは誰?」になって、思い出してもらったらうれしいからね。

 ちなみに今回は写真を4枚使ってほしかったので原稿を短めにしました。(記録は8月30日現在)

PROFILE
川口和久/かわぐち・かずひさ●1959年生まれ。鳥取県出身。左投両打。鳥取城北高からデュプロを経てドラフト1位で81年に広島入団。3年目の83年に先発の一角を確保し、86年からは6年連続で2ケタ勝利を挙げた。95年にFAで巨人へ移籍、98年限りで現役引退。巨人のコーチも務めた。通算成績435試合登板、139勝135敗4セーブ、防御率3.38。
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広島、巨人で活躍した川口和久氏が独自の視点でプロ野球に斬り込む連載コラム。

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