
開幕から素晴らしい投球を披露している佐々木朗。3年目の今季は最終的にどんな成績を残すのか[写真=佐藤真一]
降板は是か非か
もう1カ月も前の話になるが、
ロッテの
佐々木朗希が史上16人目となる完全試合を達成した(4月10日対
オリックス/ZOZOマリン)。完全試合というのは投手の夢だ。四死球も味方の失策も許されない。27個のアウトのうち奪三振が13連続を含む19を数えたのだから素晴らしい。オリックス打線の調子がどうこうではなく、それだけ佐々木の投球が圧倒的だったということだ。
私は現役時代、完全試合をやられたことはないが、味方が達成したことがある(東映の
高橋善正が1971年8月21日、後楽園での西鉄戦で記録)。最後の打球は私が守っているレフトに上がった。少し足が震えながら捕球したことを思い出す。
まだ高卒3年目、20歳の若者が大したものだと思っていたら、その次の登板でも8回までパーフェクト投球を見せた(4月17日対
日本ハム/ZOZOマリン)。2試合連続の完全試合など過去になく、もし達成となれば今後永久に破られない大記録なのは間違いないのだが、この日はロッテ打線もあと1本が出ず、両軍ともスコアボードにゼロが並んだ。8回を終わって0対0だ。
ここで佐々木朗は降板となった。8回まで102球。24個のアウトのうち三振が14。2週続けての快投劇だったが、ロッテ打線にも少なからず重圧があったかもしれない。0対0では完全試合は成立しない。球場で観戦していたファン、あるいはテレビを見たり、ラジオを聞いていたファンにすれば降板は残念だったと思うし、「どうして投げさせないのか」という声も多かったようだが、私は降板を決断した
井口資仁監督の采配を支持したい。目先の偉業、勝利にとらわれず、佐々木朗の将来を考えての決断だったからだ。
そもそも佐々木朗は1年目に二軍ですら1試合も投げていない。球団が投げさせなかった。素材は誰が見ても一級品。この“球界の宝”を大きく育てるためにはどうしたらよいか。それを考えたとき・・・
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