
ゴルフの腕前は抜群だった長嶋監督
消えたゴルフボール
今回は、まず長嶋
巨人の捕手として活躍した
杉山茂さんのゴルフでの珍プレーの話……。野球選手のパワーは計り知れないものがあるが、打球が曲がり、フェアウェイから大きく外れたボールが茂みなどに入り、アウト・オブ・バンズ(OB)やボールがなくなるロストボールは日常茶飯事だ。
ボールが見つからなくなった場合は、その場で新たに打つボールをプレーヤーが自分で地面に落として、そこからプレーを再開する。このボールを地面に落とす動作は「ドロップ」と言い、当時のルールでは、真っすぐ立った姿勢のまま、自分の頭の後ろにボールを持っていき、そこから離すというやり方をしていた。
自分の打ったボールが見当たらなかった杉山さんは当時のルールのスタイルに則って、後頭部の位置からボールを離した。そして振り返り、そのボールを打とうとしたとき……。今、自分の背後に落としたはずのゴルフボールがなくなった。転がっていってしまうような傾斜でもないのに……? 一体どこに消えたのか……。
ほかのメンバーと辺りを探すがやはりボールはない。つまり、ボールがなくなるというペナルティをもう一度犯してしまったことになるわけだ。
仕方がないので杉山さんは、もう一度同じ動作を繰り返し、プレーを進行させた。次のホールの第1打目、ティーインググラウンドで杉山さんはドライバーを握り締め、前のホールでボールをなくしたアクシデントを振り払おうと、まずは勢いよくティーショットの素振りをした。ブゥン! すると、次の瞬間! ボトン! と杉山さんの足元にゴルフボールが飛んできた! 危ない! 隣のホールから打ち込んできたボールと思ったほかのメンバーたちも、即座に辺りを見渡す。
「誰だよ!」
しかし、辺りはシーンとしたままだ。と、杉山さんが「あれ? これ、俺のボールだ……」と言って、そのボールを拾い上げる。それは隣のホールから打ち込まれたものなどではなく、まさしく杉山さんのボールだった。エッ、どういうこと……?
実は、そのボールは杉山さんが前のホールで打ったボールがなくなって、新たに自分の後頭部の位置からボールをドロップをしたときに、この日、杉山さんが着ていたウェアの「フード」部分に自ら落としてしまったボールだったのだ。それで、そのままボールは手品のようにその場で忽然と消えてしまい、そのまま次のホールのティーインググラウンドでドライバーの素振りをしたときに、その勢いでフードからボールが飛び出したということだった。
自分のウェアのフードにドロップしたんじゃ・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン