
2019年に左右両打席本塁打をマークした日本ハム・杉谷拳士。両打ちゆえに葛藤も生まれるという
昨年の12月、
イチローを仰天させた高校生がいた。
「左方向にもこんなホームランを打てるの? 化け物ですね」
左打席からレクザムスタジアム(香川県営球場)の左中間の芝生席へ、とてつもない飛距離の打球を弾き返している。それが高松商高の2年生、
浅野翔吾だった。身長は170センチを少し超える程度で、体重は90キロまで届かないくらいのずんぐりタイプ。高校通算39本のホームランを放っているという浅野の特筆すべき点は、彼が本来は右バッターだということだ。右の大砲として子どものころからホームランを量産してきた浅野は今、あえてスイッチヒッターに挑戦している。発案者は高松商高のアイデアマン、長尾健司監督だ。
「野球マンガですよ。ほら、『MAJOR』(満田拓也)のジョー・ギブソンJr.が左打ちだったのに、左ピッチャーの変化球に対応するために右で打つようになったでしょ。それも、決まり切った右には左、左には右のスイッチじゃなくて、変化球投手に対しては右で、速球派のピッチャーには左で打ちよる。あのイメージです」
右の浅野は左ピッチャーの変化球の対応に苦慮していた。ところが・・・
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