
引退セレモニーでも最後まで“サブちゃん”らしかった
いくつかの印象に残るインタビューの中で、もっとも敗北感を味わわされた相手は誰かと訊(き)かれたら、間違いなくこの選手を挙げる。
サブちゃんである。
今から5年前のことだ。2017年の7月、イーグルスの“サブちゃん”こと
福山博之はとんでもない記録を続けていた。味方のエラーによる1失点があったため
藤川球児の38試合連続無失点記録には挑めなかったものの、開幕からオールスター前まで、36試合に投げて防御率が0.00だったのである。そこで仙台まで出向いて、インタビューを敢行した。
サブちゃんと言えば、イーグルスが日本一になった2013年の
田中将大とのこのやりとりが印象に残っていた。試合前、先発の田中が一人、投手陣の輪を離れて先にクラブハウスへ引き揚げる。すると、福山が大声を張り上げる。
「タナカぁ~っ」
田中が立ち止まって振り返ると、福山がこう叫ぶ。
「がんばれよ~っ」
すると田中が言い返す。
「うるせえ~っ」
再び歩き始めた田中に・・・
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