ルーキーイヤーから3年間で8勝も積み重ねたことを考えれば、すでに風は吹いているのかもしれない。だが、まだ微風に過ぎない。昨年はなかなか自分の投球スタイルを確立できなかったが、手応えは感じている。勝負の4年目は力強い真っすぐを取り戻し、さらなる飛躍を誓う。 取材・構成=牧野正 写真=宮原和也、BBM 
着実に成績を伸ばしつつあるが、まだ大きなインパクトはない。ブレークが期待される24歳の右腕だ
不完全燃焼の1年ここぞの場面で失点
3年目の昨年は開幕から先発ローテーションに入り、4月には3勝を挙げて大きな存在感を示した。しかしシーズンが終わるまで、ついに4勝目をつかむことはできなかった。好投はしても打線の援護が少なく、要所で打たれるケースが目立つようになった。圧倒的に勝ち運に見放され、やがて自分のピッチングができなくなっていった。後半戦は二軍が主戦場となり、一軍では3試合の登板にとどまったが、その中で取り戻したものがあったことは収穫だった。 ――プロ3年目の昨年を、まずは振り返ってもらえますか。
勝野 最初(4月)しか勝っていないんですけど、なかなか安定したピッチングができなかったなという印象です。トータルで見たら悔しい1年でした。
――それでも契約更改ではアップでしたね(450万円アップの推定2100万円)。4月以降はなかなか勝てませんでしたが、その内容が評価されたのでは。
勝野 イニング数や試合数を評価してもらえました。勝てなくても試合をつくったところですかね。
――開幕から先発ローテーションに入り、4月は3勝と最高のスタートだったと思いますが、今年はいけるぞという感じだったのでしょうか。
勝野 いや正直、キャンプ、オープン戦と開幕一軍に残れるかどうかという内容だったので(オープン戦は3戦3敗、防御率10.80)、それでも開幕ローテに入れてくださった監督や投手コーチには本当に感謝しています。あれがなければシーズンを通してチャンスはなかったように思います。(
中日には)いい投手がたくさんいますから。開幕からチャンスをいただいたことは大きかったです。
――それは勝野投手への期待も大きかったからだと思いますが、3勝目(4月28日
阪神戦/バンテリン)を最後に勝利が遠のきました。ご自身では、その要因はどのように考えていますか。
勝野 ここで点を取られてはいけないイニングで取られたことで、同点にされたり、負けがついたり……ここという場面を乗り越えられなかったところが自分の弱さだなと。早い回で代打を出されることもありましたが、でも大野(
大野雄大)さんや柳(
柳裕也)さんなら、そこで出されていないと思うんですよね。
――打線の援護も少なかったように思いますが、そのあたりは。
勝野 先制点を与えてしまう試合が多かったですね。打線がなかなか得点できないときは・・・
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