「育成出身」というワードは、いまや当たり前のように聞かれるようになった。3ケタの背番号を背負い、スタートは一軍に出場することのできなかった選手たち。だからこそ、チームの戦力となるべく、人一倍の努力を重ねてきた。日本一に貢献したオリックスの宇田川優希も、その1人だ(インタビューはこちら)。2022年シーズン、存在感を見せた育成出身選手たちにスポットを当てる。 
水上由伸[西武/支配下2年目]#128 → #69
【2022年成績】60試合4勝4敗1S31H、防御率1.77
新人王に記録保持者も
日本球界を代表する
ソフトバンクの
千賀滉大、
甲斐拓也に共通するのは? と問われたとき、一番多い答えが「育成出身選手」ではないだろうか。2005年に導入された育成選手制度はいまや、各球団で欠かせないものとなっており、一芸に秀でた選手を獲得して自前で育てていくスタイルが確立されている。冒頭の千賀、甲斐は、そのモデルケースだ。
今季も両リーグともに育成出身選手による活躍や、今後に向けての新しい一歩が刻まれていった。中でもパ・リーグ史上初となる育成出身選手で新人王に輝いたのが、西武の水上由伸だ。育成ドラフト5位で入団した昨季、5月に支配下昇格を果たして29試合に登板。2年目の今季は、開幕から勝ちパターン入りを果たした。主に7回に登板。スライダー、ツーシームを主体に、時に打者の懐へ物おじせずに投げ込む投球で8月下旬まで防御率0点台をキープ。35ホールドポイントを稼いでチームメートの
平良海馬とともに最優秀中継ぎを手にしての新人王である。「数字的に見たらいいシーズンでした。コロナ(感染で離脱した)以外は、ずっと一軍にいれたのがよかったです」とコメント。来季も安定した投球を続けていく。
前半戦の活躍で新人王候補に名前が挙がっていたソフトバンクの
大関友久も育成出身。20年の育成ドラフト2位入団。昨季途中に支配下昇格を果たすと、今季は開幕先発ローテをつかんで、プロ初先発から白星を重ねていった。5月7日の
ロッテ戦(ZOZOマリン)と6月25日の
日本ハム戦(PayPayドーム)で今季チーム最多となる2度の完封勝利もマーク。しかし・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン