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インサイド・リポート

大谷翔平“二刀流”への挑戦

 

Chapter 3 野手育成メソッド


打撃はすでに一軍レベル。守備は外野またはDHが現実的か

 バッターとしては高校通算56本塁打の実績が証明するように、プロに入ってもすでに一軍レベルとの評価にある。山田正雄ゼネラルマネジャー(GM)が「打つ方ならばすぐに外野手はできる」と断言するほど洗練された技術に、パワーも兼ね備えている。

18歳の体を考えた適切な起用法の模索を

 栗山監督は将来的な遊撃手への挑戦プランもあるが、二刀流を行う上でポイントになるのは、ポジションの選択だろう。現実的に内野手との兼任は極めて難しいといえる。守備練習の量と負担は、外野手よりも圧倒的に多く、時間も掛けなければいけない。さらに内野手ならば走者との交錯プレーによる故障の危険性も多くなる。

 現実的には高校時代と同様の外野手、またはDHになるだろう。さらに投手を軸にトレーニング計画、またはその先の起用法を模索していくことにもなる。

▲一級品の評価を受けるバッティング。あとは守備位置をどこにするかが二刀流育成の大きなポイントになる


 先発投手としての適性、また大谷の18歳という年齢を考えれば、しっかりと登板間隔を空けることが故障を予防する大前提になる。登板日以外の試合にバッターとして出場するとなれば、その間の投手としてのルーティンにしっかりと取り組めない可能性も否めない。そう考えていくとまずは外野手またはDHとして、ルーキーイヤーは一軍出場していくというのが、野手としての成功プランの基本線となるだろう。

Chapter 4 中長期的戦略


誰も成し遂げたことがない頂を目指す戦い

 前代未聞ともいえる投手と打者の二刀流でのスタート。大谷が投打の両面で捨てがたい、あふれる魅力を持っているがゆえの異例の挑戦。有識者の間では賛否の論争が多方面で沸騰しており、どちらかを最初から選択するべきとの「否」の意見が目立っているのが実情だ。それでも日本ハムと大谷は果敢に極めて困難な試み、未知のチャレンジへと着実に歩みを進めている。

大谷に馳せる未知なる夢

 ダルビッシュ有のほか吉川光夫、中田翔ら数々ドラフト1位の逸材に携わってきたトレーナーの中垣氏は、大谷には未知なる夢を馳せる。「投手と野手で、ともに成功する可能性は、今のところ大谷にしかない。彼のみに与えられているチャンス。どちらかは主力でどちらかはそこそこでも多くの方々は納得してくれないでしょう。ともに高いレベルの主力に育てることしか『本当の成功』とは言えない」

 どちらか一方を選択した方がもちろん選手として大成する確率は、はね上がる。それでも球団を挙げてこれまで見たこともない、野球マンガの世界から飛び出してきたようなスーパープレーヤーの誕生を目指している。

挑戦のカギを握る強い意欲と精神力

 さらに今回の挑戦の大きな力になるのが大谷の精神力。この取り組みへの強い意欲、根気が大切な要素の1つになってくる。

 中垣氏は「成功するんだという強い覚悟を持っていること。ほかの選手よりも絶対にキツくなる。それでもほかの選手ができないことをやるという意義を感じ、つらいことも多いだろうが、この挑戦自体を何よりのやりがいと思い、面白さだと心から感じること。最初は結果が出なくてもくじけず、中長期的に取り組めなければ成功への可能性はないと思います」と語る。

 日本ハムも大谷も周囲のさまざまな声に惑わされることなく、一途に二刀流という大きなチャレンジへ向き合っていく。そして、無限の可能性を秘めた18歳のルーキーはこれからプロの世界でどんな成長曲線を描いていくのか――。誰も成し遂げたことがない頂を目指して、大谷のあくなき挑戦の日々がいよいよ本格的に幕を開ける。

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