球団間での協議を経て成立するトレードは、ときとして選手の“痛み”が伴うこともある。ここでは週刊ベースボールが独自の観点からこれまでに実現したトレードの衝撃度の大きさからベスト10を選定。その悲喜こもごもを含め、振り返ってみた。※2位と8位以外のトレードは、表記した年度のオフに実現したもの。 ※所属などは12月8日現在写真=BBM 巨人 
▲片岡治大[西武FA→巨人]
有言実行の補強第一弾完了 狙った獲物は逃さない。40年ぶり日本一連覇の夢が断たれてからわずか1カ月。渡辺恒雄会長が14年の“奪回”と、それに向けた「大補強」を宣言していたとおり、国内に的を絞った第一弾補強作戦が完了した。
他球団からしてみれば問題とは言えないまでも、わずかな不具合も許されないチームの補強ポイントは二塁手と先発投手。前者は中日を自由契約の井端弘和と12月3日に、西武からFAを宣言した片岡治大と9日に、後者は広島からFAの大竹寛と4日に正式契約を結んだことで解決を見た。
戦力集中に批判的なコメントも多々見られるが、移籍会見の席上で「野球人生をここで全うしたい」と宣言した井端と、「今、勝負しないと後悔する」と決意を固めた片岡の獲得目的は異なる。もちろん、まずは二塁を争うことになるが、特に井端は不動の遊撃手・
坂本勇人を脅かす存在でもあり、三塁もOKな頼れるバックアップ、かつ代打での勝負強さも今春WBCで実証済みと何とも使い勝手が良い。
2年連続2ケタ勝利の大竹は言わずもがな。リーグ随一の得点力を誇るバックを背に投げることになるが、「背番号の数(17)くらい勝ちたい」と強気な発言も、自信の表れだ。
ソフトバンク 2選手獲得もプラス面は? 3選手取りを実現してこそ、FA補強は成功と言えるはずだったが、最も必要とした大竹寛(広島→巨人)獲得に失敗。5年ぶりにBクラスに沈んだチームの課題である先発投手の補強が未完成の状態だ。
FAで新たに加わる中田賢一と鶴岡慎也は九州出身のご当地選手。中田の条件は4年最高6億円、鶴岡は4年最高5億円でともに出来高も付くと言われている。中田はこれまでの9年間で2ケタ勝利は1度のみ。中継ぎもこなせることが強みだが、先発投手不足を解消させるには心許ない。鶴岡とは入れ違いで
山崎勝己が流出。鶴岡の今季年俸がBランクと見られ、人的補償も伴うだけに、2人の大きなプラス面は結果で示すしかない。
FA補強が構想どおりに進まなかったことで、先発投手の補強として外国人を狙っている。目をつけたのはいずれも直近4年間で35勝を挙げている
スタンリッジとウルフ。2ケタ勝利を十分に計算できる存在だ。
また、今季は四番を固定できなかったことも勢いに乗り切れなかった1つの要因だった。そこで元
オリックスの
李大浩取りに着手。さらに広島、西武でリリーバーとして活躍した
サファテにも触手を伸ばしている。総額16億円とも言われる大型補強。すべてが成功すれば、V逸の逃れ道はなくなる。
まだまだ続く?仁義なき補強 
▲ウルフ[前日本ハム]

▲スタンリッジ[前阪神]

▲李大浩[前オリックス]

▲サファテ[前西武]
DeNA 先発の柱となり2ケタ勝利を 残留かと思われた久保康友だったが、12月2日にDeNAへの移籍が決定。入団会見では「自分を最も必要としてくれるところでプレーしたいと思っていた。
中畑清監督や
高田繁GMから『君の働きでチームを変えてほしい』という言葉をかけていただいてグラッと心が動きました」と語った。交渉期間中に指揮官は直接電話をし久保を口説いたが、その際かけた言葉は「DeNA初の2ケタ投手になってほしい」。
三浦大輔と並び先発の柱として期待される。
中日 “任務”はG倒&優勝! 決め手は
落合博満GMの「必要だから来てくれ」のひと言だった。「自分の中では十分過ぎる言葉。優勝に向かって、戦力になれるように頑張りたい」。11月26日に名古屋市内で記者会見に臨んだ小笠原道大は、よどみなくこう言い切った。
通算2080安打のバットマンも、昨季は好調・巨人の中で出場22試合、打率・250と不振に終わっていた。そこで声を掛けてくれたのが日本ハム時代、師弟関係にあった落合GM。復活への舞台はそろった。
オリックス 
▲山崎勝巳[ソフトバンクFA→オリックス]
山崎加入で正捕手争いが過熱 11月29日、ソフトバンクからFA宣言していた山崎勝己を獲得した。今季は、6年目の
伊藤光が137試合でマスクをかぶるなど頭角を現してきたが経験不足は否めない。ベテラン山崎の加入で正捕手争いが過熱しそうだ。
西武 打撃に加え、経験値にも期待 最も期待されるのは補強ポイントの右打者としての打撃だが、若い選手が多い中で経験値やムードメーカー的役割への期待も。「外野のポジションを」とレギュラー取りへ意欲も見せる一方、
伊原春樹新監督の目指す細かい野球への実践に自信ものぞかせる。
西武orロッテ FA最後の大物の行方は…… 今オフFA宣言した8選手中、唯一行き先が決まっていないのが涌井秀章だ。ロッテが獲得に名乗りを挙げているが、涌井が希望する条件と隔たりがある模様。ロッテ優位の状況に変化はないが、西武残留の可能性も出てきた。