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2014年ペナントレース総括

広島 投手力の浮き沈み激しくV逸

 


144試合74勝68敗2分 勝率.521
[ホーム42勝29敗1分/ビジター32勝39敗1分]
[交流戦9勝15敗0分 勝率.375 12位]


◎投手力


 投手の出来がチームの勝敗に直結した。月間防御率が3.12でリーグトップだった3、4月は18勝9敗で9つの貯金を築き、阪神と並んでリーグ首位に立った。しかし、月間防御率3位の5月は勝率5割、最下位に沈んだ6月、4位だった7月は負け越し。再び3.15でリーグトップだった8月は15勝10敗と勝ち越しに成功。8月を終えて首位・巨人に1ゲーム差に迫ったが、9、10月はまたも月間防御率が最下位に落ち込み、23年ぶりの優勝も手放した。

 投手陣をけん引したエース・前田健太は5年連続の2ケタ勝利だが、防御率2.60はリーグ3位でも、その5年ではワースト。自ら「勝負どころ」と位置付けた8月以降に2勝5敗と結果を残せなかった。ほかの先発陣ではルーキー・大瀬良大地が球団では97年の澤崎俊和以来の2ケタ勝利となる10勝で前田に次いだ。また、FA移籍した大竹寛の人的補償で加入した一岡竜司が開幕から20試合連続無失点など存在感を示した。

◎攻撃力


 序盤の快進撃の中で、4月に堂林翔太梵英心エルドレッドと3本のサヨナラ本塁打が飛び出したが、チームで月間3本のサヨナラ弾はプロ野球最多タイ記録。四番に座ったエルドレッドは持ち前のパワーを発揮して7月までに29本塁打、87打点と打線をけん引した。しかし、8月に入ると急に下降線を描き、最終的には球団記録となる169三振。不振による二軍落ちなど26試合に欠場しながら全試合に出場した12年の堂林の150三振を大きく上回った。

▲37本塁打でキングに輝いたエルドレッドだったが、一方で球団記録を更新するシーズン169三振や28試合連続三振と波が大きかった



 レギュラー定着2年目の菊池涼介は昨年の.247から.325へ大きく打率が向上。プロ野球3人目となる同一シーズン2度の20試合以上連続安打で、6月は無安打試合ゼロなど、調子の波の小さいシーズンを送った。また、9月2日の巨人戦(長野)でロサリオがサイクル安打を達成。球団6人目で、外国人選手では初。本塁打、三塁打、二塁打、単打の順での達成は04年アレックス(中日)以来2人目だった。

◎守備力


 特筆すべきは何より、菊池が二塁手としてマークしたシーズン535補殺。昨季、自身がマークした528の二塁手シーズン記録を上回った。12球団を見渡しても、今季の二塁手で2位はヤクルト山田哲人の445、全ポジションを通じての2位が巨人の遊撃・坂本勇人の459であるからいかに菊池の守備機会が突出して多かったかが分かる。即ち、広い守備範囲でプレーに関わったということだ。また、守備機会は141試合で二塁を守った昨季の897から906に増え、失策数は18から12に減少。確実性もアップした。当然のように2年連続2度目のゴールデングラブ賞を手に入れたが、得票数237は両リーグのすべてのポジションを通じて最多。セ・リーグの二塁手部門の2位は5票(荒木雅博、中日)と他の追随を許さなかった。

 また、捕手は會澤翼石原慶幸倉義和白濱裕太が務め、盗塁阻止率.223はリーグ最低。1点を追求するにあたり、この数字は致命傷となった。

【2014年の主な達成記録】


▼100犠打=石原慶幸、4月9日対巨人(東京ドーム)
▼100犠打=菊池涼介、7月5日対ヤクルト(マツダ広島)
▼1000奪三振=前田健太、8月15日対巨人(マツダ広島)、プロ野球139人目
▼同一シーズン20試合以上連続安打2度=菊池涼介、5月31日〜7月2日、7月26日〜8月21日
▼サイクル安打=ロサリオ、9月2日対巨人(長野)、プロ野球63人目、67度目
▼28試合連続三振=エルドレッド、球団記録
▼シーズン169三振=エルドレッド、球団記録、前記録は12年の堂林翔太の151
▼シーズン補殺535=菊池涼介、昨季自身がマークした528の二塁手シーズン補殺記録

【はみ出しデータボックス】今年も驚異の守備力を発揮した菊池


 昨年二塁手で528補殺のリーグ記録を作った菊池が、今年535補殺で記録更新。2年連続ゴールデングラブ賞を受賞した。昨年は打率.247と打撃力に課題があったが、今年はチーム歴代2位の188安打を放ち、リーグ2位の打率.325と開眼。20試合以上の連続安打を2度マークした。同一シーズンで2度記録したのは50年平井正明(西日本)、94年イチロー(オリックス)に次いで2リーグ制後3人目。2番打者の菊池は連続安打期間中に11犠打(平井1、イチロー4)と、制約の多い中でも安打を重ねた。

 エンジンのかかりは遅くゲーム序盤の成績は芳しくない。1打席目に限れば25試合連続無安打もあり、打率は.230と低調。しかし、2打席目以降は466打数162安打、打率.348とよく打った。延長戦に入ると15打数9安打、打率.600の猛打ぶりである。広島は延長戦で球団新記録となる11勝を挙げたが、菊池はその中で2つの勝利打点で貢献した。
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