144試合75勝68敗1分 勝率.524
[ホーム41勝30敗1分/ビジター34勝38敗]
[交流戦9勝15敗 勝率.375 2位] ◎投手力
藤川球児(カブスFA)の抜けた昨年は抑え不在がチームの成績に直接響いたこともあり、今年は韓国のセーブ王・
呉昇桓を獲得。これで7回
安藤優也、8回
福原忍、9回呉の布陣がしっかり固められた。
先発は
能見篤史、
メッセンジャー、
藤浪晋太郎と3人までは固定できたが、その後の6番手までが流動的で不安材料であった。しかし、開幕するとドラフト6位の
岩崎優が開幕5戦目で先発デビュー即初勝利を飾り、5月まで先発ローテに入りチームを支えた。その後は
岩田稔が復調し、最後までローテを守った。
開幕前は、投手力のいいチームと見られていたが、能見が負け越すなど全体的に低調で、防御率もリーグ5位と不振なシーズンと言っていいだろう。その中でもメッセンジャーが最多勝&最多奪三振の2冠。呉がセーブ王、福原が最優秀中継ぎと、きっちりと役割を果たした部分もあり、リーグ2位へとつながった。
◎攻撃力
開幕前に不安があった四番・ゴメスだったが、開幕から勝負強い打撃を披露すると、チームも勢いに乗り4月の月間打率.296と打線が爆発した。さらに開幕3戦目で激突負傷した
西岡剛に代わった
上本博紀が、一番打者として大暴れ。
鳥谷敬、ゴメス、
マートンのクリーンアップで得点を奪える打線がチームをけん引した。
▲ゴメスが四番として打点王を獲得する活躍で虎の快進撃を支えた
だが交流戦に入ると全員が不調に陥り5、6月と打率.240と4月の好調が嘘のように打線が湿った。リーグ戦が再開するとゴメス、マートンの打撃も上向きになり、特にロードが続く8月に貯金1ながら勝ち越せたのは打率.278、116得点と猛虎打線がよみがえったからだ。リーグ2位にクライマックスシリーズ優勝、日本シリーズ進出を導いたのは打点王を獲得したゴメスと首位打者獲得のマートンの力が大きいことは間違いない。
◎守備力
遊撃手・鳥谷、中堅・
大和とゴールデングラブ賞を取った2人がいることで安定した守備力を誇っているように見えたが、正捕手が決まらないことで、センターラインが強固だったとは言い難い。
開幕は
藤井彰人が正捕手もケガで途中離脱。そこでドラフト4位の新人・
梅野隆太郎を起用。打撃が優れていることもあり、打つ方で数試合貢献。7月中盤まで正捕手として起用された。しかし、守備でミスが目立ち始めると、
鶴岡一成中心に変更。シーズン後半に藤井が復帰すると、ベテラン2人を併用した。最後まで正捕手が決まらない苦しいシーズンであった。
野手の方では、西岡のケガのあと二塁に上本が抜てきされた。打つ方は合格点だったが守備では二塁手最多エラー(17)は痛かった。また三塁も
今成亮太、
新井良太などが併用され、最後は西岡と目まぐるしく変わった。ただ、鳥谷、大和が安定したことが大きな崩壊が起きなかった要因となった。
【2014年の主な達成記録】
▼200本塁打=
福留孝介、4月29日対
広島戦(甲子園)プロ野球99人目
▼日米通算1000安打=マートン、4月30日対広島戦(甲子園)
▼1000奪三振=福原忍、5月4日対
ヤクルト戦(神宮)プロ野球137人目
▼1000回登板=安藤優也、5月13日対広島(米子)プロ野球339人目
▼1500安打達成=鳥谷敬、5月19日対
西武(甲子園)プロ野球115人目
▼日韓通算300セーブ=呉昇桓、7月21日対
巨人戦(甲子園)
▼500試合登板=福原忍、7月25日対広島(マツダ広島)プロ野球93人目
▼1500試合出場=鳥谷敬、8月9日対広島戦(京セラドーム)プロ通算183人目
▼1000奪三振=能見篤史、9月5日対
中日戦(ナゴヤドーム)プロ野球140人目
▼日米通算1000回投球=メッセンジャー、9月20日対中日戦(甲子園)
▼日韓通算500試合登板=呉昇桓、9月20日対中日戦(甲子園)
【はみ出しデータボックス】際立った外国人選手たちの活躍
メッセンジャーは13勝、226奪三振。初の最多勝、2年連続となる奪三振王のタイトルを獲得。
阪神の外国人最多勝は64年バッキー(29勝)以来50年ぶり。226奪三振は外国人枠が制定された52年以降では、64年バッキーの200奪三振を抜く外国人最多記録となった。
1試合平均の奪三振率はリーグ1位の9.76。来日1年目(10年)の奪三振率は5.37に過ぎなかったが、以降7.32→7.60→8.39と年々向上。今季の9.76は04年ベイル(広島)の9.71を更新する外国人最多記録である。来季は史上11人目、外国人投手初の2ケタ奪三振率を狙いたい。
ナイトゲームでは24試合で7勝10敗、防御率4.08だが、7試合に先発したデーゲームは6勝0敗、防御率0.67と抜群の安定感。このうち甲子園では3試合連続完封勝利を含む、5戦5勝。40イニングで失点2(自責点1)、防御率0.23と圧倒的な強さを誇った。