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2014年ペナントレース総括

DeNA 低い守備力が大きな懸念材料

 


144試合67勝75敗2分 勝率.472
[ホーム34勝37敗1分/ビジター33勝38敗1分]
[交流戦13勝11敗0分 勝率.542 5位]


◎投手力


 CS進出争いを演じたものの、最終的には9年連続Bクラスに沈んだ。だが、指揮官が就任した12年の勝利数が46だったことを考えると、今年の67勝は飛躍的な進化を遂げたといえる。最大の要因は投手陣の踏ん張りだ。昨年まで6年連続最下位だったチーム防御率が3位までアップ。前年の4.50が3.76と1点近くも減っている。

 一番の功労者は阪神からFAで獲得した久保康友。12勝6敗の好成績で投手陣をけん引。最多勝にあと1歩届かなかったが、大車輪の活躍でチームに貢献した。そしてもう一人、著しい活躍を見せたのが2年目の井納翔一。シーズン序盤から飛ばしていき、5月には完封1を含む4勝を挙げ、月間MVP。前半戦だけで9勝(5敗)。リーグ最速10勝にも到達し、自己最多11勝で先発ローテーションを守り切った。さらに、モスコーソ(9勝)とシーズン途中から先発に転向した山口俊(8勝)を加えた先発右腕カルテットの働きが、CS進出争いを演出した大きな要因といえる。

▲チームトップの12勝を挙げ、勝ち頭となった久保。移籍1年目から期待どおりの活躍を見せた



 そして林昌範長田秀一郎三上朋也らの中継ぎ陣の貢献も大きかった。一昨年、昨年に比べて投手力は間違いなく充実してきている。

◎攻撃力


 一方の打線は若手の成長が際立った。今季レギュラーに定着し、盗塁王を獲得した梶谷隆幸を筆頭にシーズン途中から中堅の定位置を獲得した桑原将志、大型遊撃手の白崎浩之と多くの選手が台頭してきている。中でももっとも強い印象を残したのが筒香嘉智。プロ5年目の若き超距離砲がついに開花した。チーム三冠となる打率.300、22本塁打、77打点。侍ジャパンにも招集され、今、飛躍のときを迎えている。

 昨年136打点、打率.333で2冠に輝いたブランコは、ケガで3度離脱するなど本来の力を発揮できなかった。だが、シーズン途中に入団したグリエルがその穴を埋める。デビュー戦での猛打賞を皮切りに、低調だった攻撃陣をけん引。キューバの至宝の活躍なくして、CS進出争いはあり得なかった。

 ただし、チーム打率はリーグ最低の.253。昨季が同2位の.2617だったことを考えれば、寂しい成績だと言わざるを得ない。Aクラス進出には打線強化が必要だ。

◎守備力


 リーグ最多の116失策で、3ケタは唯一の記録。この数字がすべてを物語っている。

 チーム最多は山崎憲晴の12個。次いで白崎浩之の11個だった。ともに内野の要・遊撃手の二人。ショートの守備力アップが来季のポイントになりそうだ。

 そして今季から先発マスクをかぶった黒羽根利規も失点に直結するエラーを犯している。6月27日の広島戦(横浜)でリーグ最多タイとなる1試合3失策の不名誉な記録に並べば、記録には残らないが、9月2日の阪神戦(甲子園)でも手痛いミスを起こす。1点リードの9回一死満塁で適時打を浴び、同点。二走のマートンも本塁を果敢に狙った。だが、中継を経てホームに戻ってきたボールは完全にアウトのタイミングだった。が、待ち構えていながら甘いブロックをかいくぐられサヨナラのホームインを許した。

 失策によって勝ち試合を落としたことも多かった1年。CS進出に向けて一つの勝利が重要となってくるだけに、守備力向上は必須だ。

【2014年の主な達成記録】


▼歴代3位タイとなる22年連続勝利=三浦大輔、7月13日対ヤクルト(神宮)
▼球団史上2人目となる2試合連続先頭打者本塁打=梶谷隆幸、9月10日対ヤクルト(横浜)
▼球団外国人投手シーズン最多となる9勝=モスコーソ、9月19日対広島(マツダ広島)
▼球団新人最多セーブ記録を更新する19セーブ=三上朋也、9月14日対巨人(東京ドーム)

【はみ出しデータボックス】15年連続負け越しのリーグ記録も近い


 02年から13年連続で負け越し。62〜76年にヤクルトが作った15年連続負け越しのリーグ記録に迫ってきた。昨年は66失策と堅守だったが、今年は両リーグ最多の116失策と守りが乱れた。DeNAのチーム3ケタ失策は、大洋時代の67年に131失策して以来47年ぶり。チーム失策が前年から50も増えたのは、リーグ初である。投手、捕手、内野手、外野手全ての部門で失策が増えたが、とりわけ外野手は8失策から22失策へ激増。外野手に専念した梶谷と筒香は、バットで期待通り結果を残したが、守りではともに6失策と精彩を欠いた。

 チーム防御率3.76はリーグ3位で、前年までの6年連続最下位から脱却した。しかし、リーグ最多タイ10個の捕逸も含めた守りのミスが響き、自責点とならない失点が両リーグ最多の85点あり、ヤクルトに次ぐ624失点。失点率4.36はリーグ5位だった。上位進出には守りの強化が欠かせない。
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