今オフFA宣言した選手の中で、最もその去就が注目された選手の一人であった成瀬善久。2010年にはエースとしてチームを3位から日本一へと導く立役者となった、ロッテの大黒柱が移籍を決断。阪神、オリックスと手を挙げた中でヤクルトを選んだその理由とは。ヤクルトのエースナンバー17を背負い、来年30歳の節目を迎える左腕に新たな挑戦の真意を入団会見の直後に語ってもらった。 取材・構成=阿部ちはる 写真=内田孝治(インタビュー)、BBM 自身では気付けなかったエースとしてのマンネリ化
──入団会見(12月9日)でヤクルトのユニフォームにソデを通した印象はいかがでしたか。
成瀬 まだ着た姿を自分の目では見ていないので、実感がわかないです。ニュースなどで見て初めて分かる気がします。
──11年間在籍したロッテから、移籍を決断した理由を教えてください。
成瀬 まず、ずっとロッテにいさせてもらってすごく感謝しています。ただ自分の中では新たな気持ち、新たな場所でやりたいという思いもあったのだと思います。
というのも、FA宣言をした後に、知人に「マンネリ化しているんじゃないか?」「居続けられるという安心感があるから、今の成績なのではないか?」と言われたんですよ。自分の中ではそうは思っていなかったのですが、たしかにロッテに残るのであれば、�狡�戦する�瓩箸いΦせ�ちではないなとも思いました。やっぱり向上する気持ちがなくなったらそれで終わりだと思っているので、言われて初めて「そうなのかも」と感じました。
──具体的に言うと?
成瀬 安心感ってほどではないですけど、ロッテで毎年開幕投手をやらせてもらっていて、自分の中では「絶対に誰にも譲らねえ」って気持ちがあって、結果的に選んでもらえたっていうのもある一方で、もしかしたら心のどこかで「他にやるヤツはいないだろう」っていう思いがあったのかなと。ただそれも知人に言われて初めて気づいたことなんですよね。
──5月にFA権を取得しましたが、宣言しようという思いはあったのでしょうか?
成瀬 そのときにはまったくそういった思いはありませんでしたが、シーズンが終わって球団との話し合いを重ねていく中で、「自分は本当にこのままここにいてもいいのかな」と。正直、他球団に移籍するというのは不安もありますが、セ・リーグの野球を見たいという思いも芽生え、その中で少しずつ移籍への思いが出てきましたね。
──球団と話をしていく中で、自分の中で納得がいく条件がなかったということは?
成瀬 球団とは条件どうこうではなく、同じ方向を向いているふうには思えなかったんです。僕は選手会長を去年、今年とやらせてもらって、去年はケガもあり一軍にいることが少なくチームのことをあまり把握できていなかった。ですが今年は一軍にある程度いさせてもらって、こうしてほしいとか、もっとこうした方がチームは良くなるんじゃないか?といったことは伝えました。ですが、それがうまく伝わらなかったという部分はあります。
──自分が納得する道に進むための最善の策が、移籍ということだったのですね。
成瀬 はい。ですが若い選手が多いチームなので、自分が伝えるべきことは伝えなくちゃいけないと思っていたので、移籍することに対しては本当に悩みましたね。

11年間在籍したロッテでは、エースとして存在感を示し続けてきた成瀬。「この地から離れなくてはいけないのはさみしい」と語った
──なるほど。では成瀬投手が、移籍先に求めたものはなんだったのでしょう。
成瀬 やっぱり、必要としてくれるところですかね。あとは両親が実家から見に来られる距離というのも重要でした・・・
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