
阪神に入団したころ[写真は2010年]は結果を残しメジャーに戻りたいと思っていたんだけど、気が付けば阪神で8年目になり、子どもも4人も授かったよ(笑)
阪神ファンが作る素晴らしい雰囲気での投球は最高だよ
ハ〜イ、
メッセンジャーです。ここまで4試合に先発登板し3勝(※成績は4月22日現在)となかなかいいスタートを切れたと思うね。4月21日は
巨人相手[東京ドーム]に8回を投げて(1失点)スタミナがあることを証明したよ(笑)。今年阪神でプレーして8年目だね。長い時間、日本でプレーしているなあ、と思っている。自分でも本当にビックリしているんだ。
では、なぜ8年もの間、阪神でプレーできたのか……一番は阪神が毎年いい契約を提示してくれているからなんだよ(笑)。実際に1年だけで契約が終わってしまう外国人もいるからね。その中でずっと契約をしてもらっている阪神には感謝し切れないね。
日本でプレーする外国人の選手たちの中の99.9%は、早い時期にメジャーに復帰したい、もしくはメジャーに再挑戦したい、という気持ちで来日していると思うんだ。僕も、最初のうちはそうだった。日本でもできるんだ、というところを見せ、メジャーに復帰したいと考えていた1年目だった。そして2年目もいい成績を残すことができて、翌年も阪神からいい契約をもらって……という流れになっているんだよね。その阪神で、ずっとプレーしたいという気持ちになっている理由はほかにもいろいろあるんだけど、その中でも、大きな要因が3つあるんだよ。
まず1つ目。これは阪神ファンの存在だね。ここまで熱狂的な応援をしてくれるファンは、僕は経験がない。甲子園での試合は毎日がメジャーのポストシーズンのようだよ。毎回、興奮を抑えながらマウンドに上がっているんだ。あの雰囲気は最高。そういう日本一のファンだけど、調子が悪いときなどはヤジが飛ぶし、報道陣から厳しい目を向けられる。でもね、それもプロ野球選手としての仕事というか、“さだめ”だと思っているから苦にはならないんだ。そこもあるけど、やはり、阪神ファンは最高だと思っているんだ。
2つ目。これは日本の治安の良さだね。どの都市に行っても危険な場所はないよね。大きな犯罪もあまりない。球場に来ていても、家にいる家族の安全を気にしなくてすむんだ。こんな安全な国はないと思っている。そこはみんな誇りに思っていいと思うよ。安心してプレーに集中できる、という面では最高の国さ。
4人の子どもたちに対し平等な愛を注ぎたいからね
最後の3つ目。これが最大の理由かな。それは「家族」の存在だね。僕は小さいころ、父親の仕事が忙しくて一緒に過ごす時間がほとんどなかった。夜中に仕事に行ったり、休日も仕事だった。読者のみんなが描いている「アメリカの家族イメージ」とは大きくかけ離れた生活だったんだ。だから自分自身が父親になったら子どもたちとなるべく多くの時間を一緒に過ごしたい、とずっと願っていたんだ。
メジャー・リーグって先発陣も含め全員、チームと完全帯同なんだ。先発陣も朝早く球場入りして、必ず試合中はベンチにいないといけない。遠征先も行動は一緒。僕は、メジャー時代には中継ぎだったから、常にチームと一緒に行動していたんだ。阪神に移籍した1年目(2010年)は中継ぎをやっていたんだけど、その後、先発に転向した。
日本の先発投手というのは、登板の間に1度休日が入るし、「あがり」というものもあるんだ。登板しない日のチーム練習後、自分の練習や、次の登板へ向けての準備が終わりさえすれば帰宅できるというシステム。だから、「あがり」の日は、4人の子どもたちが起きている時間に帰ることができる。甲子園のナイトゲームの日は、朝、球場に行く前に、スクールへの送りができるしね。「クレイジー4キッズ」の親としてね(笑)。
だから今、僕が昔から描いてきた理想の家族が作れているんだよ。日本プロ野球のこのシステムにも感謝しているよ。それに阪神が与えてくれる環境にも感謝だよね。

家族と一緒に過ごせる時間も大切にしながら、先発投手としての責任もしっかり果たそうと思っているよ。甲子園の試合には家族も応援に来るしね[僕の隣は通訳としてサポートしてくれている栗山正貴さんだよ]
そういう中での8年。先に生まれた娘2人に対し十分な接し方ができ、幸せな日々を過ごせた。だから後から生まれた息子たち2人(5歳と2歳)にも、娘たちと同じように接しないといけないな、と思っているんだ。常に4人に平等の愛情を注ごうとね。そうするためには、僕が阪神のマウンドで頑張らないといけないよね(笑)。
プロ野球選手を続けながら、理想の家族の形ができている現状をできるだけ長く続けていたいと思っている。一番下の息子が大きくなるまでにあと何年間投げ続けられるのかなあ(笑)。
素晴らしいファンがいる球場で投げられる。そして安全な日本で、僕の理想の家族の形を与えてくれる阪神にあらためて感謝だね。4人のダディとして、また阪神の先発投手として責任をまっとうするために、僕はマウンドで結果を残し続けていこう、と強く思っているんだ。
読者からの質問に答えます!
Q. グラブの形は毎年変化していますか。 A. 僕は高校時代、遊撃手としてもプレーしていたからグラブはほかの投手よりも小さいものを使っているんだ。その中で、今のグラブは2013年に変更してからずっと使っている。その前のものも長く使用していたね。今使用しているグラブは少し大きくした。なぜって? 日本はクセを見抜くプロが多い。そこでグラブの中での握りのクセを隠すことを考慮したんだ。数ミリだけど大きくしてるね。
PROFILE 1981年8月13日生まれ。アメリカ・ネバダ州出身。198cm121kg。右投右打。スパークス高から1999年にドラフト11巡目でマーリンズに入団。05年にメジャー・デビュー。その後、ジャイアンツ、マリナーズを経て10年に阪神と契約。最初は中継ぎ起用をされたが、中盤から先発に転向した。11年から4年連続2ケタ勝利を飾り、13年には開幕投手を務めた。13、14年は最多奪三振、最多勝。15年から3年連続開幕投手を務めるなど阪神のエースとしてチームを支えている。