2005年からスタートしたセ・パ交流戦だが、これほどドラマチックだった年はないのではないか。巨人が13連敗の屈辱、楽天・則本昂大の2ケタ奪三振連続試合記録。そして、最高勝率をめぐる死闘は最後までもつれ、ついにソフトバンク-広島の直接対決で決した。頂点に立ったのは、3年連続となる交流戦絶対王者だった。 写真=太田裕史 
6月18日、マツダ広島での直接対決に勝利したソフトバンク。全員で(いや、川崎宗則以外)「1ダホー!」/写真=太田裕史
苦渋の策か強さの証しか
最終決戦、6月18日の広島戦[マツダ広島]。ソフトバンクのスタメンは、開幕前には誰も想像しないものだった。一番に今季3度目のスタメンとなる
福田秀平が入り、
松田宣浩は4年ぶりの四番、六番には売り出し中の
上林誠知、七番には今季初スタメンの
高田知季、八番は昨年13試合出場の
甲斐拓也、そして先発は今季2度目の登板の
山田大樹……。
苦渋の策ではあったが、逆に選手層の厚さの証しでもあった。福田、松田、甲斐が2打点、高田が1打点と、
工藤公康監督の策がことごとくはまる。投手陣も早めの継投でピンチの芽を摘む。8回6対2からの甲斐のスクイズは、慎重過ぎではと思ったが、結果的に9回の広島の粘りを、余裕を持って封じる1点となった。7対4の勝利で広島と同じ12勝6敗ながら、直接対決の勝ち越しで交流戦最高勝率が決定。賞金は最高勝率の500万円、パが8年連続で勝ち越したことで、リーグの1位球団として1000万円が贈られた。ソフトバンクは交流戦13回中7度目の王者。就任3年目で、すべて最高勝率チームとなった工藤監督は「選手が心を1つに、強い気持ちを持って戦ってくれた」と、喜びを爆発させるというよりは、かみしめるように語った。
今季、開幕から大きく出遅れたソフトバンクだが・・・
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