2月11日午前3時半、野村克也氏が虚血性心不全のため死去。84歳だった。南海ホークスで強打の捕手として台頭し、1965年には戦後初の三冠王。監督としては5度の優勝、3度の日本一に輝き、歴代5位の1565勝を挙げている。 球界に幾多の革新をもたらした名将であり、その教え子たちの多くが、いま各チームに散らばり、その遺伝子を継承している。 私はいつも「野村-野球=0」と言う。
それほど今の私があるのは、野球のおかげだと思っている。
野球のおかげで、幸せな人生を送ることができているのだ。
野球に感謝、である。
その感謝の思いを野球界には伝えたいし、感謝しているからこそ、
野球界にこうして苦言を呈しながらも、残りの人生をかけ、恩返しをしたいと思っている。
(小社刊『野村克也の手紙』遺言より)

1993年、ヤクルト監督4年目、日本シリーズで西武を破り、指揮官として初の日本一に輝く