※今号(2020年3月23日号)は、「3.20」開催を前提に記事を構成しており、本誌の締め切り日(3月9日)に発表されたNPBの開幕延期と取材時期との関係上、一部、事実と齟齬が生じております。ご了承ください。 
キャンプ、オープン戦序盤は元気だったI.モタだが主力級の投手を前に失速。カベを超えられるか……?
【投手力&守備力】2年目戸郷に期待
腰痛に苦しみ、昨季は11勝にとどまった
菅野智之が復調気配で、3年連続6度目の開幕のマウンドに立つ。昨季韓国で17勝のA.
サンチェス、高卒2年目ながらOP戦で結果を残した右腕の
戸郷翔征が2〜3番手の位置付けか。後者2人(特に新助っ人)は計算が立つわけではないが、期待は大きく、
山口俊(現ブルージェイズで昨季15勝)の穴埋めは彼らの右腕に掛かっている。
残り3枚の先発には
高橋優貴、
田口麗斗の左腕に、
桜井俊貴が濃厚だが、昨季チーム最多の67登板でリリーフの大黒柱に成長した
中川皓太のコンディションが気掛かり。2月22日以降試合登板を回避しており、スクランブルで田口が中に回る可能性がある。この場合、
今村信貴、
鍬原拓也、
宮國椋丞が代役候補に。同じく先発枠を争う
古川侑利、
高田萌生は当面、
ロングマンが決定している。
中継ぎ陣は
高木京介に
鍵谷陽平、抑えのR.デラロサは盤石。出遅れた
澤村拓一も3月7日に一軍復帰した。そのほかは先発次第で、菅野以外は戦ってみなければ分からないところに怖さがある。昨季同様、3捕手併用制が濃厚で、経験値の高い彼らが引っ張ることができるか。
【攻撃力&機動力】走れるクリーンアップ
支配下昇格を勝ち取り、一躍、レギュラー候補となったI.モタはあくまでもプラスαの存在と考えるべき。主力投手が登場するOP戦後半は8打席連続三振など早くもカベにぶつかったが、この試練を乗り越えられるかどうかが一軍戦力か、否かの分かれ目となる。ダメなら左翼には38歳ながらまだまだ元気な
亀井善行がいて、マイナスはない。「初回に2点以上を取る打線」は継続で、二番の
坂本勇人から四番の
岡本和真までの中軸は健在。加えてメジャー通算1312安打で助っ人ながらコンタクト率の高いG.
パーラが五番を打ち、課題を解消。六番には亀井もしくはモタが入り、ここまで(モタ以外)が穴のほとんど見当たらないクリーンアップ。
吉川尚輝が腰痛から復帰し、本来期待されていた一番に座ることで、打線には昨季以上の厚みが生まれている。パーラを含め、一〜六番まで走れる選手がそろっているのもポイントだ。
開幕時点では背水のベテラン・
中島宏之が好調で、一塁の定位置を奪いそうなのはうれしい誤算。一方、
大城卓三は打撃不振で一塁専念とはいかなくなり、捕手と一塁の二足のわらじ。昨季は3捕手併用制がはまったが、今季はどうか。
【選手起用&戦術】アッと驚く投手起用も?
二番に坂本を据える超攻撃的オーダーを成功させた
原辰徳監督は、投手起用の固定概念を覆すプランを温めており、開幕カードの先発の組み方に特徴が現れている。通常、エースを“表”ローテの初戦に、これに続く投手を“裏”の初戦に置くのが一般的だが、力のある投手から順番に登板させる方針で、現状では菅野〜戸郷がそれ。先発8人制(2人待機)やオープナー、ブルペンデーの採用の可能性も示唆している。12年目指揮官が揮うタクトにも注目だ。
【離脱&調整中のメンバー】 C.C.
メルセデス 左ヒジ違和感。開幕前後に実戦復帰予定
大竹寛 右肩周辺の肉離れでファーム調整
T.
ビエイラ 外国人枠の都合でファーム待機か(モタ次第)
陽岱鋼 打撃不振のためファーム調整
評価うなぎのぼり!注目選手 吉川尚輝
帰ってきた正二塁手 “評価うなぎのぼり”というよりも、「本当にやれるのか?」の不安を打ち消した注目選手。「一番・二塁」のポジションに戻ってきた。昨季も開幕から離脱するまで11試合で一番を打ち、打率は.390と打線を引っ張ったものの、その後は腰痛で離脱、一軍に戻ってくることはできなかったが、今季は本来の役割を果たせそう。原辰徳監督が理想に掲げた攻撃的オーダーの進化は、吉川尚がカギを握っているといっても過言ではない。