取材・文=前田泰子 写真=上野弘明 新型コロナウイルスの感染拡大を受けた活動自粛期間中にトレーニングに専念し、再開後に急成長を見せた
「覚醒」のマウンドは6月中旬の練習試合だった。今年初めての対外試合で、
山下舜平大は自己最速を7キロ更新する153キロをたたき出した。常時150キロ以上をマークし、4回を投げて7奪三振。相手の西日本短大付高の打者を寄せ付けない圧巻の投球を披露した。「九州では間違いなくNO.1。ドラフトの上位に挙がるだろう」。集まったNPBスカウトたちの視線をクギ付けにした大型右腕が、ドラフト上位候補へと躍り出た。
入学時から188センチのスケール感のある大型右腕として注目されていた。2年春には九州大会ベスト8まで進出したが、中学時代にU-15日本代表を経験した左腕・深浦幹也や最速149キロ右腕・山城航太郎と、同学年に好投手がそろう中で突出した活躍はなかなかできなかった。昨夏はエースナンバーが与えられたが九州国際大付高との県大会準々決勝で敗退。エースとして臨んだ同秋の県大会も優勝の有力候補に挙げられながら4回戦で敗れ、センバツのかかる九州大会出場は果たせなかった。
強打・大阪桐蔭高から圧巻の12奪三振
気持ちにスイッチが入ったのは秋の県大会後だ。「コントロールが悪くて、ストライクが入らない。夏も秋も同じだった」。チームを引っ張るエースになりたいと八木啓伸監督に訴えると・・・
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