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「10.26」を待つ逸材 高校生編

根本悠楓(苫小牧中央高・投手) 北の大地で牙を研ぐ異次元のサウスポー 「3〜5年後には一軍で投げて、勝てる投手になっていたい」

 

取材・文=依田真衣子、写真=高原由佳

7月18日、今夏初めての公式戦[対えりも高]に救援登板。1イニングを投げ、最速142キロをマークした


 注目の146キロ左腕の出番は、試合終盤にやってきた。7月18日、南北海道大会室蘭支部予選の1回戦(対えりも高)。今秋のドラフト候補に挙がる根本悠楓を擁す苫小牧中央高は、4回裏までに10対0でリードしていた。苫小牧中央高が5回表を抑えれば、大会規定によりコールドゲームが成立する。そんな4回表、「根本がブルペンに入ったぞ!」。記者席は慌ただしくなった。

 5回表、背番号1がマウンドに上がると「保護者2人まで」というガイドライン下の「無観客試合」ながら、球場内はにわかにざわついたように感じた。投球練習では130キロ台後半ながらその球筋に、目を奪われた。初球は141キロのストレート。見逃しのストライクである。球速表示以上に打者の手元で伸び上がって見える、投球練習とはまったく異なる球質に、運営補佐の部員たちも「レベチ、レベチ」と首を横に振る。レベルが違う、とグラウンドにいない者まで圧倒した。

 プロ注目投手の真っすぐは、異次元だった。2者連続三振。3人目の打者をこの日最速の・・・

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