ここまで前評判どおりの実力を発揮して、パの首位争いを演じている楽天。その中で見逃せないのが、今季から指揮を執る三木肇監督の采配だ。補強策が機能し、新たな戦い方も見せている三木野球の本質とは? 
順調に勝ち星を重ねている楽天。投手陣に不安を残しながらも、打線がカバーしている
状況を分析して導き出す最善策
去る7月。三木肇監督を取材していて、戦国武将・武田信玄の旗印としても有名な『風林火山』を思い出した。「疾(はや)きこと風の如(ごと)く」から始まり、「動かざること山の如し」で終わる、あの有名な一文である。
それは指揮官が自身について問われたときだ。「積極的に動く監督か、それとも動かないタイプか。自分はどちらだと思いますか?」。この問いに対し三木監督はこう答えた。「どちらもあると思います。積極的に動くこともあるし、また動かないことで相手を考えさせることもある」。
ここまでの試合を振り返ると、まさに監督が語ったとおりだ。積極的に仕掛けるときもあれば、山のようにどっしり構えるときもある。相手投手、カウントなどさまざまな状況を分析した上で、最善と思われる一手を選び出している。
例えば7月7日からの
ソフトバンクとの6連戦(PayPayドーム)。初回の攻撃が興味深い。8日から10日までの3試合は、いずれも先頭打者が出塁し・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン