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2020変化球特集

変化球誌上レクチャー ヤクルト・小川泰弘『カットボール』「三振よりも ゴロで打ち取る」

 

ストレートとのわずかな球速差、変化量で打者の打ち損じを狙える。カウント球としても使え、投球の軸となっている。直球同様に自在に操れるのは、投げ方もほとんど変わらないからだ。
取材・構成=依田真衣子 写真=大賀章好 協力=東京ヤクルトスワローズ


指を5ミリずらすだけ


 僕のカットボールは、右打者ならアウトコース低め、左打者ならインコースを攻めるボールです。ストレートと同じくらいの球速が出せるので、バッターに引っ掛けさせたり詰まらせて、内野ゴロ、ファウルを狙います。空振り三振よりも、内野ゴロで打ち取るイメージですね。

 投げる際は、曲げようとして軌道を考えるのではなく、到達点だけをしっかり意識して投げます。コントロール重視でコースに投げ切らないと、一歩間違えたらホームランになるボールなので。でも、しっかり制球できればファウルが取れる、武器になるボールですよ。

 握りは、ほとんどフォーシーム(ストレート)と変わりません。フォーシームは人さし指と中指の間を少し開いて縫い目に掛け、親指はその真下に。3本で支えるような感じです。カットボールは、この握りから、人さし指と中指の先を5ミリくらい右に少しずらして2本の指をくっつけます。あとは向きを変えるというか、しっかりボールの中心を握ってはいるんですけど、縫い目の向きだけを変えます。フォーシームは、人さし指と中指が縫い目に対して垂直になり、中指右から見える縫い目の輪が半円のようになりますが、カットボールの場合は少し斜めに入ります。

 リリース時のポイントとしては、手首が寝てしまうと、ボールが浮いて打ちごろの高さになってしまうので、腕の振りに負けない手首の強さが大事です。リリースするときに小指と薬指にちょっと力を入れて握ってあげると、しっかり手首が立ちますよ。僕は人さし指と中指で切るというより、ボールの中心を押してあげるイメージを持っています。

 先ほど、コントロール重視とは言いましたが、カットボールは変化量の少ない変化球なので、制球を意識し過ぎて腕が振れなくなることは避けなければいけません。ボールが高くなるのも良くないので、しっかり腕を振って低めに投げていくことが大切です。

ワンポイントアドバイス! 練習は遊び心を持って


【Front】ストレートの握りとほぼ同じだが、カットボールの場合は人さし指と中指はくっつける


【Side】ストレートは縫い目に対して垂直に指を掛けるが、カットは指先を5ミリほど右にずらして斜めに掛ける


「練習は、キャッチボールから遊び心を持ってやるのが一番大事かなと思います。真っすぐをしっかり投げてからカットを投げてみて、少し曲がればそれで成功。すごく簡単なボールなので、ぜひチャレンジしてみてください」

球種割合 全投球1133球

※データは9月5日現在

PROFILE
小川泰弘/おがわ・やすひろ●1990年5月16日生まれ。愛知県出身。171cm80kgg。右投右打。[甲]成章高-創価大-ヤクルト13年(2)=8年。2020年の成績は12試合登板、8勝2敗0S0H、79回2/3、防御率3.05
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