得点時には、ベンチで両手を突き上げてガッツポーズ。サヨナラのチャンスとあれば、身を乗り出して声を出す。ヤクルトの若き四番は「チームのために」とバットを振るだけでなく、盛り上げ役も買って出る。主砲を突き動かすのは、「このチームで優勝したい」という思いだ。 取材・構成=依田真衣子 写真=桜井ひとし、井田新輔、JMPA 
決して調子は良くないと口にするが、四番としての役割を全うしている
打撃以外でもチームに貢献できる
昨季の開幕戦から、一度も四番の座を譲ったことはない。不動の主砲が意識するのは、チームに貢献することだけだ。本塁打、打点ともにリーグ2位の数字を残すが、決して本調子というわけではない。だからこそ、打撃以外でもチームに貢献しようと必死だ。ベンチの中では、誰よりも大きな声でチームを鼓舞する。 ──優勝争いに加わる現在、チームの雰囲気はいかがですか。
村上 すごく良い雰囲気で野球ができていると思います。
──今季、開幕3連戦(対
阪神、神宮)を3連敗でスタートしました。出ばなをくじかれましたが粘り強く戦ってきた結果が、現在につながっていますね。
村上 確かに開幕カードは3連敗してしまったんですけど、開幕したときから、僕たちは優勝することだけを考えてプレーしてきましたから。あの連敗は開幕で、気持ちが空回っていたというか。入りの難しさがあったからなのかなと思います。
──その春先は、村上選手もなかなか安打が出ずに苦しんでいました。
村上 ヒットは出なくても、チームに貢献する方法はあります。僕自身、勝ちたい気持ちは常に持っているので。そういう面でも、自分の結果にかかわらずベンチでは先頭に立って声を出して、チームを引っ張っていけたらなと思っています。
──とはいえ、連続無安打は5試合が最長と、昨季から不調と呼べる不調がありません。調子の波は感じていますか。
村上 感じますよ。今年に関しては、調子が良いと思えている時期はあまりないですね。ただ、今は優勝を争っている状況なので、残りの試合は四番の僕がしっかり状態を上げていかないと。
──そう言いますが、本塁打数、打点はリーグ2位です。しっかりチームに貢献できています。
村上 それは何て言うか……。そのときに合わせたバッティングフォームだったり、相手ピッチャーの研究だったり、試行錯誤しながらやって、何とか数字につなげている感じなので。納得はしていないです。
──調子が良いから数字につながっているわけではない、と。
村上 いやあ。ちゃんと調子を出せていたら・・・
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