野球を始めるとき、誰もが最初に手にするのはグラブではないだろうか。グラブを語り始めたら止まらない。今号の特集はグラブを愛する方々にお届けする。 取材・構成=椎屋博幸 写真=石井愛子 MITT SSK 1年前に使っていたミットよりも今季は小さくしています。と言うより、もともと2019年まで使っていた大きさに戻しました。昨年まで使用していたミットは少し大きめにしていたのですが、握り替えのときに、右手がミットに引っかかる感じがあったので、元に戻しました。
僕のミットの親指側は薄いのですが、これはワンバウンドがミットに入りやすくするため。僕自身、体と手の反応でバウンドを捕球しにいくタイプです。そのために手と同じ感覚のミットにしたいなという意識から、この厚さにしています。同じく手と同じ感覚で使いたいという思いで、手の差し込み口は、手首がスムーズに入るように工夫しています。

親指側の厚さは薄めになっている。これは捕球のときの握り替え、ワンバウンドの捕球のしやすさを考慮している
そして僕のミットの最大の特徴は「ユーループ」というものです。名字の「UMENO」の頭文字「U」から取ったもので、19年から採用され、20年5月に商標登録されました。写真で言いますと薬指を入れる部分に青い紐が2本垂れていますが、これが「ユーループ」です。

革のヘタれを防ぎ、理想の型を維持するために開発したユーループ。ミットが反ったりヘタれたときに使用する
1年間ミットを使い続けるとミットの革がヘタってきますよね。これだけはどうしても避けることができません。さらに速いボールが、時に抜け球となった際に、どうしても左肩側でボールを捕ることが多くなり、ボールの勢いに負けることがあります。そうなるとどうしてもボールに負けますよね。その捕球を繰り返すと、手の甲側の部分が反り気味になります。
それを補うためにこのループを使用します。このヒモを引っ張ると、革がギュッと締まるシステムになっています。シーズンが進んでいく中でミットの革は必ず緩んできます。そのときにこのループを引っ張り調節していきます。引っ張り加減は、自分の感覚ですね。僕の場合は左手が「U」横文字を逆にしたような丸めている型で捕球したいです。この型を維持するために「ユーループ」は欠かせないものとなっています。

手の入れ口も、手と手首の角度を考えて作っている。スムーズに入り操作性も高い
T担当チェック 裏にはビリケンさん
ミットの手の平を入れるあたりに「ビリケン」さんのパッチ刺繍が入っている。梅野本人は「大阪ですし、かわいいし、縁起がいいから」と理由を説明。関係各所の許可を得て使用させてもらっている。しかし、プレー中に手で隠れて見えないところに、なぜビリケンさんのパッチを入れているのか? これにはある秘密がある。ちょうどバッチ部分がボールの捕球面にあたる。ここにビリケンさんを置くことで革の補強になるという。つまり革のヘタレを抑制することになり、型崩れしにくくなるのだとか。一石二鳥、ご利益のあるビリケンさんだ。(H.s)

うめの・りゅうたろう●1991年6月17日生まれ。右投右打。173cm78kg。福岡県出身。福大-阪神14[4]=9年